保護猫の里親さんの探し方を徹底解説

野良猫の暮らしは過酷です・・

ご飯や飲水にありつけることは難しく、事故・感染症・ケガ・虐待、異常気象による極寒酷暑や大型台風の襲来で、野良猫として生きづらい環境に人間がしてしまいました。

レスキューが必要な野良猫がいたら、捕獲してご自身で飼うか、新しい家族を探してあげてください。

新しい家族を見つけるまでの工程は、大きく6つのステップになります。

① 捕獲する
② 医療ケアをする
③ 保護場所を確保する
④ 日々のお世話(家猫・人馴れ修行)
⑤ 里親さんを探す
⑥ 譲渡する

今回の記事では、捕獲後の「⑤里親さんを探す 」について詳しく徹底解説します。

里親さんの探し方はいろいろとあります。

保護猫もペットショップ同様、子猫に人気が集中しがちではありますが、焦らず気長に探すことで、高齢猫や医療ケアが必要な猫にも里親さんとの良いご縁は必ずありますから、諦めずに里親さん探しをしていきましょう。

里親募集をする猫が子猫で、親・兄妹猫と過ごしている場合、里親さん宅へお届けするのは生後2ヶ月を過ぎてから。

生後8週間は社会化期といって、脳発達や性格に影響を及ぼす大切な時期となるので、親・兄妹猫と一緒に過ごさせてあげます。



どんなお家向きなのか考えてみる

日頃猫のお世話をしている中で、どんな家での暮らしが向いているか、見えてくるところがあると思います。

人間が大好きで甘えん坊なら、一人っ子の方が飼い主を独占できて良いのかもしれまい・・・など、以下を参考にどんなお家が合っているか考えてみます 。

・人間が大好きで甘えん坊
 → 一人っ子/お留守番が少ない/家族が多い

・ベタベタされることを好まず一人の時間を大切にする
 → 小さなお子さんがいない/家族が少ない/自宅が広い

・猫が大好き
 → 猫好きな性格の先住猫がいる

・子猫
 → お留守番が少ない/高齢者世帯NG/先住猫がシニアは避ける(子猫パワーにシニア猫が疲れてしまいます)

・シニア猫
 → 高齢者世帯も候補に

里親探しを焦ってしまい、相性が微妙なお家へ譲渡した場合、何かしらのトラブルが発生して戻ってくることになったり飼育放棄に繋がることもあります。

焦らず、猫にとって相性が良い里親さんとの出会いを気長に探していきましょう。

譲渡ポリシーを準備

譲渡ポリシーとは、「譲渡の条件」「飼育する上で守って欲しいこと」などを個条書きにしたリストです。

里親募集をする際に、譲渡ポリシーも合わせて開示しておくことで、里親希望者さんが判断しやすく、その後のやりとりもスムーズです。

譲渡ポリシーに記載しておくべき項目と、一般的な内容を記しておきますので、参考にしながらご自身の譲渡ポリシーを作ってみてください。


譲渡ポリシー



◆譲渡条件
・以下の方への譲渡はご遠慮いただいております。
 未成年・学生の方/ご高齢の方/出産予定・乳幼児がいらっしゃるご家庭/男性お一人暮らし
・終生飼養をお約束していただけること
・ 猫の飼育可能な住宅にお住まいで、人と猫が快適に生活できる環境であること
・人と猫が十分に生活できる安定した収入や経済力があること
・完全室内飼育を守り、脱走防止に細心の注意を払っていただけること
・先住猫がいる場合は原則不妊手術済みであること
・気軽なトライアルではないこと
・キャパを超えて飼育数を増やそうとしないこと
・譲渡した猫の様子を定期的にご報告いただけること

◆譲渡の流れ
 ①お申し込み
 ②ビデオ面会(お部屋の様子なども確認させていただく)
 ③猫への面会(身分証・名刺などをお互いに開示)
 ④トライアル(ご自宅に猫をお届け/トライアル契約書)
 ⑤譲渡(譲渡契約書)

◆譲渡費
 保護からこれまでにかかった猫の医療費(の一部)をご負担ください
 ※内訳と金額を記載します
 ※おおよそ2~5万円が一般的です

AHAHAの譲渡ポリシーには、各項目の理由も合わせて記載していますので、必要な方はご確認ください。

里親さんの探し方

身近な人に声掛け(知人・親戚・職場)

まずは、知人・親戚・ご近所さん・職場の方など、猫を飼いたい人がいないかを片っ端から聞いてみます。

「猫を飼いたい知り合いがいたら教えて」と輪を広げることで里親さんが見つかりやすくなります。

チラシを作り、近隣のお店に掲示(町内会・回覧板・掲示板なども活用)

里親募集猫の情報を掲載したチラシを作成し、近隣のお店に掲示のご協力をお願いしてみます。

動物病院以外にも、美容院や八百屋さんなどの個人店から、 スーパーやコンビニなどのチェーン店まで、協力してくださるお店は多いです。

また、町内会・回覧板・掲示板なども積極的に活用していきましょう。

チラシには以下を入れておくとスムーズです。

・猫の画像(ブレてない明るい画像/特徴が写ってる)
・プロフィール(性別・年齢・柄・疾病など)
・性格やどんなお家向きか
・問い合わせ先
・QRコード(猫の直近の様子が分かる、SNS・ブログ・里親募集サイトへ誘導)

里親募集サイト

里親募集サイトとは、新しい家族を探している猫と、里親さんを繋ぐWEB上のマッチングサイトです。

複数の里親募集サイトに掲載しておくことで、より多くの方に見てもらいやすくなります。

ペットのおうち
月間150万人が利用する国内最大のペットコミュニティー。専用アプリあり。

ネコジルシ
里親募集で猫との新生活を応援!日記や写真でユーザ交流ができるWEBサイト。

いつでも里親募集中
犬猫の里親探しをされている方と飼い主になりたい方をつなげるサイト。

ジモティー
地元の掲示板ジモティーには、里親募集専用ページが設けられています。

掲載する内容や画像は、ちょっとした心掛けで多くの方に見てもらいやすくなります。

◆写真・動画
・最大数まで投稿
・ブレていなく明るい画像を投稿
・顔アップ・全身・尻尾など猫の特徴を載せる
・最も可愛く写っている写真を第一画像にする
・動画は、猫の可愛いシーンをダイジェストにする

◆投稿内容
・「保護の経緯」は詳しく(ストーリーが大事)
・色・柄・尻尾・毛の長さ・大きさなどの見た目は具体的に(検索対策)
・チャームポイントは、見た目・性格・特徴・癖など網羅
・粗相や夜鳴きなどのマイナス事項も(トライアル出戻りを避ける)
・タイトルには、見た目や性格のチャームポイントを短く詰め込む
・先に決めておきた「譲渡ポリシー」(条件外の申込みを避ける)
・どんなお家向きか(理想の方から申し込みが入りやすい)

例えば、シニア猫の里親探しでは、子猫より同じ年頃の猫がいるお家が相性よく暮らせます。
また、猫エイズ・白血病キャリア猫がいるお家も、同じキャリア猫を探していることがあります。

◆その他
・里親募集サイトから誘導した先のInstagramやYouTubeで、猫の最新の様子を見てもらうようにする
・作成したページは次第に奥のページに埋もれます。閲覧者が増える週末前にページを新規作成しなおし、内容も最新にアップデートする

SNSやブログ

日頃から使っているSNSやブログがあり、ある程度フォロワーさんがいる方は、それらを使って里親募集をすることも可能です。

町の譲渡会

近隣エリアで開催している譲渡会をネットで探し、一般の人も参加できるか問い合わせてみます。

せっかく譲渡会に参加しても、緊張からケージ内で固まる猫は多く、普段の様子が発揮されないため、成猫は譲渡に発展しにくい傾向にあります。(子猫は逆に譲渡会で決まりやすいです)

しかし、本気度の高い方が来場していることと、里親希望者さんと対面してお話しできるため、その場でトライアル日確定まで進展することも。

ケージの前で気に留めてくださった方には積極的に話しかけ、普段の猫の性格や特徴を説明したり、動画を見せてアピールしていきます。

里親詐欺について

里親詐欺とは「いい人」や「普通の家族」を装って譲渡会や里親募集サイトに忍び込み、猫を譲渡してもらった後に、虐待をしたり業者(動物実験・三味線)に売り飛ばして金銭を得る人のことです。

長年保護活動をしている経験者も騙されてしまうほど、夫婦や子連れで幸せそうな家族を装うなど 手口は巧妙化しています。

しかし、里親詐欺には共通した特徴がありますので、きちんと知り防御していきましょう。

里親詐欺の特徴

・無料で譲渡している猫を好む
・同時に(または過去に)複数の猫に申し込みする(里親募集サイトでは履歴を確認できます)
・トライアルを急ぐ
・自宅での引き渡しを拒む
・男性一人暮らし

里親詐欺対策

・譲渡費はきちんといただく
・譲渡までの工程は省かず慎重にすすめる
・写真付き身分証と名刺を、お互いに開示する
・猫のお渡しは外では絶対にせず、自宅に届ける
・知り合い以外の男性一人暮らしは避ける
・少しでも不安が残ったら譲渡しない

わたしが経験した里親詐欺

わたし自身も、里親詐欺にあったことがあります。

保護活動のベテランおばあちゃんのお手伝いをはじめた頃のことです。

おばあちゃんはこれまで、お手製のポスターを近所の動物病院へ貼る方法で里親募集をしていました。

わたしがお手伝いに加わり、里親募集サイトなどを使うようになったことで応募が入るようになりましたが、サイトに潜む里親詐欺の存在には疎かったんだと思います。

男性一人暮らしの応募者へ、譲渡費をもらわず、身分証を見せてもらうこともなく猫の”なんちゃん”を譲渡することに・・・。

トライアルお届け後「彼が電話に出ない・・・」とおばあちゃんからの連絡を受けて、深夜近くにタクシーを飛ばして昼間になんちゃんを届けたマンションへ。

インターホンを鳴らすと知らない人が出てきました。
「は?猫!? ナニ言ってんの?」。

警察を呼びその人から事情を聞くと、そのマンションの一室はとある会社の事務所で、譲渡した男性はそこのスタッフだということが分かりました。

会社の代表が何度電話をしても彼と連絡がつかなかったので、その晩は生きた心地がしませんでした・・・

翌日、猫をバッグに入れた彼が出社をしたということで、なんちゃんを無事に返還してもらうことができました。

彼の目的は虐待ではなく、一晩中近所の神社でなんちゃんを抱いて過ごしたそうです。

新宿の大都会で首輪もない状況・・・脱走されたり事故にあうことなく、なんちゃんが無事に戻ってきたことは奇跡でした。

彼の目的が何だったのかは分かりません。
聞きたかったけど、一緒に迎えに行った保護活動者に一喝され聞くことができませんでした。

「理由なんてどうだっていい。わたしなら、絶対にあんな男に譲渡しない!」

今でも、その言葉は耳に残っています。

今ならわたしも絶対に彼には譲渡しませんが、当時のわたしは保護活動の経験がなく、悩んでいたおばあちゃんにアドバイスの一つもすることができませんでした。

おばあちゃんは周囲の保護仲間から「男性一人暮らしはやめたほうがいい」との忠告を受けていましたが、一年以上経ってやっと掴んだなんちゃんを幸せにできるチャンス!と焦っていたんだと思います・・・

「もっと知識をつけておばあちゃんに的確なアドバイスができていたら、なんちゃんを危険な目にあわせることなどなかったのに・・」

この後悔が、わたしが保護活動の発信を今でも続けている理由の一つです。

少しの判断ミスが、猫の命を奪うことがあります。

不安がある方や譲渡がはじめての方は、自分一人で決めようとせず、何人かで協力して里親さん探しをすることをオススメします。

そして、トライアルまでのお話が進んでいたとしても、少しでも気になることがあれば、途中でお断りすることも必要です。

室内猫の幸せは、飼い主(里親さん)にかかっています。

猫のことを大切な家族の一員として扱い、猫についての知識をアップデートしながら猫にとっての快適な暮らしを提供してくれる、そんな里親さんとの出会いを頑張って引き寄せていきましょ!