【野良猫を保護したら】捕獲後に必要な医療ケアや費用について徹底解説

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野良猫の保護後にするべき医療ケアについて、どこよりも詳しく解説していきます。



捕獲してから病院に連れていくまで

猫を捕獲したら速やかに動物病院で医療ケアを行いますが、捕獲できたタイミングが営業時間外であったり、予約が取れないことも。

子猫や容態が悪そうな場合は、すぐに診てもらえる病院を探し連れていきますが、健康上問題が無さそうであれば、捕獲したキャリーバッグ・コンパクトケージ・捕獲器のまま、半日くらいは待機可能です。

付着しているノミ・ダニが家中飛び散らないよう、ガレージや隔離部屋(洗面所・浴室などでも可)で猫に待機してもらいます。 暗く静かな場所は、猫も安心できます。

浴室の場合は水を抜くなどの危険がないようにし、暑さ寒さ対策もしておきましょう。

動物病院への搬送

付着しているノミ・ダニが動物病院の待合室で飛び散らないよう、猫が入っているキャリーバッグ・コンパクトケージ・捕獲器を大きめの布で包んだ状態(シーツなどが便利)で動物病院へ連れていきます。

野良猫に詳しい動物病院を探す

動物病院によっては野良猫と得意とせず、「触れない猫を連れて来ても困る・・」と迷惑がられることも。事前に、どんな状況の野良猫なのか問合せておくと安心です。

医療費や、去勢・避妊手術をする場合には助成金(市区町村によって異なる)がおりる登録病院か、確認しておきます。

必要な医療ケアと費用

野良猫の保護後は、「駆虫」「検便」「ウィルス検査(猫エイズ・白血病)」「ワクチン」「去勢・避妊」(未の場合)をしてもらいます。

里親探しをする際に必要になるので推定年齢を確認。猫パンチがでやすい時期なので爪切りもしておきます。

年齢や状態によっても処置回数が変わってきますが、概算トータル2万円前後 (去勢・避妊を除く) が一般的です。

✔ 駆虫(1回2,000円前後)・・・2回
✔ 検便(1回1,000円前後)・・・2~3回
✔ ウィルス検査(1回5,000円前後)・・・1~2回
✔ ワクチン (1回4,000円前後)・・・1~3回

猫の里親を探す場合は、正式譲渡時に、保護時にかかった医療費を「譲渡費」としていただくケースが多いです。

高額な治療が必要な病気が見つかったケースでは、餌やりさんや周辺住民にカンパをお願いしたり、SNSやクラウドファンディングで支援金を集めることもできます。

駆虫

外部寄生虫

ノミ・ダニなどの体表につく外部寄生虫は、首後ろに滴下するスポットタイプが一般的で、24~48時間かけて死滅します。

投薬後2日間は、隔離部屋などにケージを設置し、その中で過ごしてもらいます。

ノミ・ダニの死骸や卵が落ちやすいです。ケージ内・隔離部屋・猫を搬送したキャリーバッグや捕獲器、包んでいた布などは徹底的に清掃するようにします。

内部寄生虫

回虫・条虫などの内部寄生虫は、卵にも効果がある駆虫薬がないため(特に回虫)、2~3週間あけての投薬が必要です。



駆虫薬はいろいろな種類があります。

基本的には動物病院で、猫の症状に合った薬剤を選んでもらいますが、薬剤で駆除しきれなかった寄生虫を、一時預かりや里親宅の猫に伝染してしまうケースもあります・・駆虫薬の知識は入れておき、検便でも駆除できたか確認しておけると良いでしょう。

メーカー公式サイトに掲載されている効果を一覧にしています。
※毒性が高いイミダクロプリド・イソキサゾリン系が含まれている駆虫薬には注意を。

検便

検便では、上の駆虫薬できちんと駆除できたかの確認と、一般的な駆虫薬では駆除できないマンソン裂頭条虫症やコクシジウムがいないかを調べます。 (検便は、排泄後6時間ぐらいは冷蔵保存で検査可能)

1度の検便では見つからないことが多いため2~3回診てもらえると安心ですが、兄妹猫で密になっているような場合は、1頭から寄生虫が見つかれば他の猫にもいるという判断ができるので、それぞれ1~2回の検査をします。

ウィルス検査

ウィルス検査では、猫エイズ・白血病の「陰性」「陽性」が分かります。

陽性でも未発症であれば、この先も「発症」せずに長生きできる猫も多いです。

猫エイズ・白血病ともに、猫同士で唾液・血液感染するので、同居猫がいる場合は状況に合わせて対応を考えます。

✔ スペースを分ける
✔ 同居猫にワクチン摂取
✔ 食器を分ける、過度なグルーミングをしないように配慮

里親募集をする場合も、同じ症状の先住猫がいる方からお声がかかることも珍しくありません。気長に里親を探していきましょう。

猫エイズ

猫エイズは、野良猫のケンカによりオスに多い感染症です。

去勢手術をして、室内で縄張り争いがない生活になれば、同居猫とケンカをする可能性はかなり減ります。

感染力は低いので、陰性と陽性と同じ空間で暮らしているケースも多いです。

白血病

白血病は猫エイズより感染力が強くなるので、同居猫がいる場合は空間を分けるか、同居猫にワクチンを接種して感染を防ぎます。

陽転(潜伏期間)

猫エイズ・白血病ともに、1~2ヶ月ほどの潜伏期間があります。

保護時の検査で「陰性」であっても、再検査で「陽性」となることも。(陽転)

保護した猫が、ケンカが少ない子猫・メス猫の場合は、ウィルス検査を1回で済ませることも多いですが、ケンカが多そうな成猫のオスは(特に傷があるなど)、2ヶ月後に再検査をしておきましょう。

陰転

子猫は母猫から受け継いだ免疫が検査結果に現れてしまうこともあるので、「陽性」だった場合も6ヶ月以降の検査で「陰性」となることもあります。(陰転)

また、白血病が自然治癒することもあるため、一度「陽性」と出ても再検査して確認するようにします。

ワクチン

ワクチンはいろいろな種類がありますが、一般的にはコアワクチンといわれる3種混合ワクチンで問題ありません。

① 猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
② 猫カリシウイルス感染症
③ 猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)

月齢によっては3~4週間の間隔で2・3回のブースター接種が必要です。

野良猫の多くは、ひどい猫風邪にかかっているので、症状によって投薬や目薬も処方してもらいましょう。

去勢・避妊手術

6ヶ月未満の子猫や、未手術の成猫は、去勢・避妊手術が必要です。

成猫は、捕獲後早めが良いですが、手術は全身麻酔となるため健康状態が良いときがベストです。

子猫は生後5~6ヶ月辺りで手術をしますが、早ければ4ヶ月ほどでも妊娠できてしまうため、 兄妹猫と一緒にいる場合は隔離をするか、早期の手術ができる病院を探してみましょう。

市区町村によっては、手術費の助成金が出ますので、お住まいのエリアを調べてみてください。

隔離期間

先住猫がいる場合、隔離期間はどのくらいにするべきか悩ましいところです。

隔離部屋があるなら、猫エイズ・白血病の「陽転」を考慮し、2ヶ月間は分けておけると安心です。

ケージしか用意できない場合も、ノミ・ダニや猫風邪はケージ越しでも感染しやすいので、それらが完治するまでは隔離部屋がベスト。

2ヶ月もの間、ケージや狭い隔離部屋では不憫な場合は、先住猫と時間・エリアを区切って、ケージ開放時間を設けるなどの工夫をしていきましょう。

最後に

著書「野良猫の拾い方」も、野良猫の保護に役立ちます。

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野良猫の保護は、やり方さえ分かれば誰にでもできます。

飼い猫にするのであれば①②④、里親を探すのであれば⑤⑥が加わり、自宅で保護できない場合は③が加わります。

今回は、②解説しました。

捕獲
② 医療ケア
③ 一時預かりを探す
④ 猫のお世話・家猫化訓練
⑤ 里親募集
⑥ 譲渡

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