野良猫の保護後にするべきこと・動物病院・医療ケアや費用について徹底解説

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野良猫の暮らしは過酷です・・

ご飯や飲水にありつけることは難しく、事故・感染症・ケガ・虐待、異常気象による極寒酷暑や大型台風の襲来で、野良猫として生きづらい環境に人間がしてしまいました。

レスキューが必要な野良猫がいたら、捕獲してご自身で飼うか、新しい家族を探してあげてください。

新しい家族を見つけるまでの工程は、大きく6つのステップになります。

① 捕獲する
② 医療ケアをする
③ 保護場所を確保する
④ 日々のお世話(家猫・人馴れ修行)
⑤ 里親募集をする
⑥ 譲渡する

今回の記事では、捕獲後の「②医療ケア」について詳しく徹底解説します。



捕獲してから病院に連れていくまで


猫を捕獲したら速やかに動物病院で医療ケアを受けます。

とはいえ、猫が捕獲できるタイミングは予測できないため、捕獲後すぐに動物病院の予約が取れなかったり、夜間などは翌日まで待つ必要があることも。

長くても一晩くらいでしたら、捕獲したキャリーバッグ・コンパクトケージ・捕獲器の中で過ごしてもらうことは可能です。(子猫や容態が悪い猫は、間をあけずに病院へ)

部屋の中やケージに出してしまうと捕まえるのが大変になりますので、一晩くらいでしたらご飯やお水も我慢してもらって捕獲した状態で過ごしてもらいましょう。(捕獲時のごはんの器が空になっていてケージの外からお水を注げるようでしたらあげてみてください。)

野良猫の体についているノミ・ダニが家中飛び散らないよう、ガレージ・隔離部屋(洗面所・浴室などでも可)などで猫に待機してもらいます。 暗く静かな場所は、猫も安心できます。

浴室の場合は水を抜くなどの危険がないようにし、暑さ寒さ対策もしておきましょう。

動物病院への搬送


野良猫の体についているノミ・ダニが動物病院で飛び散り、他のペットたちに迷惑がかからないよう、猫が入っているキャリーバッグ・コンパクトケージ・捕獲器を大きめの布で包んだ状態(シーツなどが便利)で動物病院へ連れていきます。

野良猫に詳しい動物病院を探す


動物病院によっては野良猫にあまり免疫がなく、人馴れしていない猫に触れない獣医師もいますので、事前に動物病院に問合せておきます。

医療費も病院によって異なりますので、費用や不妊・去勢手術をする場合には助成金がおりる登録病院であるかなども合わせて確認しておきます。

必要な医療ケアと費用

野良猫を保護した後の医療ケアは、「駆虫」「検便」「ウィルス検査(猫エイズ・白血病)」「ワクチン」、済んでいない場合は「不妊・去勢手術」が必要になります。

猫の推定年齢を確認し、爪切りも済ませておくと良いでしょう。

費用は動物病院によっても異なりますし、保護した猫の年齢や状態によっても処置の回数が変わってきますが、概算トータル2万円前後 (不妊・去勢手術を除く) が一般的です。

・駆虫(1回2,000円前後)・・・2回
・検便(1回1,000円前後)・・・2~3回
・ウィルス検査(1回5,000円前後)・・・1~2回
・ワクチン (1回4,000円前後)・・・1~3回
※不妊手術(済んでない場合)

猫の里親さんを探す場合は、里親さんへ正式譲渡する際に「譲渡費」として保護時にかかった医療費をいただくケースが多いですので、医療費がなくて助けてあげられない・・・といった心配は不要です。

中には、治療が必要な病気が見つかり、莫大な医療費がかかることもあります。

そのようなケースでは、餌やりさんや周辺住民に医療費のカンパをお願いしたり、SNSやクラウドファンディングで猫好きさんから支援金を集めている方が多いようです。

駆虫

外部寄生虫

ノミ・ダニなどの体表につく外部寄生虫は24~48時間かけて死滅しますので、駆虫薬の投薬後2日間は隔離部屋などにケージを設置します。

ノミ・ダニの死骸や卵が落ちた、ケージ内・隔離部屋・猫を搬送したキャリーバッグや捕獲器、包んでいた布などは清掃しておきましょう。

内部寄生虫

回虫・条虫などの内部寄生虫は、卵にも効果がある駆虫薬がないため(特に回虫)、2~3週間あけての投薬が必要です。

駆虫薬はいろいろな種類がありますが、一つですべての寄生虫に効果がある万能薬がないため、1回目と2回目で薬の種類を変え、あわせ技で退治していきます。

猫の症状によっても使用する薬剤は変わってくるので、基本的には獣医師に選んでもらうのが良いですが、薬剤効果の知識がない獣医師もいるので、検便と合わせご自身でも必要な駆虫薬の知識は入れておきましょう。

メーカー公式サイトに掲載されている効果を一覧にしています。
※毒性が高いイミダクロプリド・イソキサゾリン系が含まれている駆虫薬には気をつけて。

検便

検便では、一般的な駆虫薬では駆除できないマンソン裂頭条虫症やコクシジウムがいないかを検査をします。

1度の検便では見つからないことが多いため、 猫が排泄した便を動物病院へ持参し、2~3回診てもらえると安心です。

排泄後6時間ぐらいでしたら冷蔵保存しておけば検査が可能になります。(少しの量で検査可能です)

兄妹猫で密になっているような場合は、1頭から寄生虫が発見されれば他の猫にもいるという判断で構わないかと思うので、それぞれ1~2回ずつの検査でも良いかと思います。

ウィルス検査

ウィルス検査では、猫エイズ・白血病の「陰性」「陽性」が分かります。

陽性であっても、ウィルスに「感染」しているだけで「発症」しておらず、生涯「発症」せずに長生きできる猫もいます。

どちらも、唾液感染・血液感染をしますので、同居猫がいる場合は食器を共有しないように配慮したり、同居猫にワクチン接種をします。


里親募集をする場合は、諦めずに気長に里親さんを探していきましょう。

病気に理解のある方や、同じ症状の先住猫がいる方からお声がかかることも珍しくありません。

猫エイズ

野良猫(特にオス)が感染しやすい猫エイズ。

感染力は低いのですが、その多くは野良猫同士のケンカで血液感染しています。

去勢手術をし、室内での縄張り争いがない生活になれば、同居猫と血が吹き出るケンカをすることも無いため、陰性の猫と一緒に暮らしている猫エイズ陽性の猫もたくさんいます。

白血病

白血病は猫エイズより感染力が強くなるので、同居猫がいる場合は空間を分けるか、同居猫にワクチンを接種して感染を防ぎます。

陽転(潜伏期間)

猫エイズ・白血病ともに、1~2ヶ月ほどの潜伏期間があります。

保護時の検査で「陰性」であっても、再検査で「陽性」となることも。(陽転)

保護した猫が、ケンカが少ない子猫・メス猫の場合は、ウィルス検査を1回で済ませることも多いですが、ケンカが多そうな成猫のオスは(特にケンカの傷がある場合)、2ヶ月後の再検査が確実です。

陰転

子猫は母猫から受け継いだ免疫が検査結果に現れてしまうこともあるので、「陽性」だった場合も6ヶ月以降の検査で「陰性」となることもあります。(陰転)

また、白血病が自然治癒することもあるため、一度「陽性」と出ても再検することをお薦めします。

ワクチン

ワクチンはいろいろな種類がありますが、一般的にはコアワクチンといわれる3種混合ワクチンの接種で問題ないかと思います。

① 猫ウィルス性鼻気管炎
 (猫ヘルペスウイルス感染症)
② 猫カリシウイルス感染症
③ 猫汎白血球減少症
 (猫伝染性腸炎)

月齢によっては3~4週間の間隔で2・3回のブースター接種が必要な場合があります。

野良猫の多くは、ひどい猫風邪にかかっていますので、症状によって投薬や目薬も処方してもらいましょう

不妊・去勢手術

保護した猫が6ヶ月未満の子猫や、未手術の成猫の場合は、不妊・去勢手術が必要です。

成猫の場合は、捕獲後早めに手術ができると良いですが、全身麻酔での手術になるため健康状態が良いときがベストです。

子猫の場合は生後5~6ヶ月辺りで手術をしますが、早ければ4ヶ月ほどでも妊娠できる体になるため、 兄妹猫と一緒にいる場合は隔離をするか、早期の手術ができる動物病院を探してみましょう。

市区町村から、手術費の助成金が出るエリアもありますので、お住まいのエリアを調べてみてください。

隔離期間


先住猫がいる場合は、保護猫とどのくらいの期間隔離するべきなのか悩ましいところかと思います。

慎重にやるなら、猫エイズ・白血病の「陽転」を考慮し、2ヶ月間は隔離するという考え方もあります。

ただ、それが難しい環境で猫を保護されているケースがほとんどかと思いますし、隔離期間が長引くことが猫のストレスになることも。

保護された猫たちは、突然の知らない場所、はじめての室内生活に慣れるまでに時間を要し、1~2週間かけて次第に落ち着いてきます。

室内生活にある程度慣れて落ち着くまでは、先住猫と無理に会わせず、隔離部屋のケージ内でお世話をするのが、トラブルが少ないように思います。

ケージ内で退屈してしまわないよう、ケージ越しにオモチャで遊んだり、人馴れ修行をする期間に徹するのが良さそうです。

室内生活や人に慣れてきた頃には、2~3回の検便や、2回目の駆虫も済んでいる時期ですので、少しずつ先住猫とケージ越しに顔合わせをはじめてみてください。

まとめ

野良猫を保護する経験ははじめての方が多く、分からないことも多いかと思いますが、一つずつクリアして野良猫から室内猫へ導いていきましょう!

「野良猫の拾い方」という著書も、野良猫の保護の強い味方になると思います。

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こちらの記事でも、野良猫の保護の仕方を徹底解説していますので、参考にしてみてください。

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