助けが必要な野良猫に出会ってしまった時に、その猫を助けてあげられるのはきっとあなたしかいません。

あなたが自力でその猫を助けてあげられるよう、捕獲の仕方や必要な医療ケア、保護場所の探し方や猫のお世話、里親募集・譲渡の仕方までをまとめました。

殆どの方が、猫の保護なんて経験したことがないと思います。

はじめての方でもこのページを参考にしながら無事に保護できるよう、できるだけ丁寧にいろんなシーンを想定して書きました。
ものすごい量になってしまいましたが、順をおって一つずつ対応していけば、きっとあなたにも、猫を助けてあげることができます。

また、いつ助けが必要な野良猫に遭遇するかは分かりませんので、「自分には関係ないわ」とは思わずに、ぜひお時間あるときにでも読んでみてください。

「自分でも保護できそうな気がするっ!」そう思ってもらえたら、日本の未来はきっと明るい!

1.捕獲について

まず捕獲をしてあげる必要がありますが、簡単にヒョイと抱っこできる猫ばかりではないですし、猫の状態によっては相談先や捕獲の仕方も変わってくるので、まずは猫の状態を観察してみてください。

動けないほど負傷していたり、授乳が必要な子猫の場合(母猫が近くにいない)、緊急保護が必要になります。

緊急性が無い場合も、その猫が飼い猫の可能性がないか、出産したばかりの母猫の可能性はないか、子猫の場合兄妹や母猫はいるのか、不妊手術の有無など、猫の状況を知るためにも近隣の方や餌やりさんの情報収集からはじめます。

◆行政に相談してみる

地区によって異なりますが野良猫の捕獲には出向かないところが殆どです。
動けないほどの負傷がある場合は捕獲・処置・収容してくれる地区もありますが、「〇〇動物愛護センター」という名称がついていてもいわゆる保健所ですので、命の期限があり殺処分されてしまう可能性もあります。
問い合わせの際には確認が必要です。

◆保護団体に相談してみる

やはり捕獲には出向かないところが殆どかもしれません。
運よく収容場所があれば保護・里親募集をしてくれる可能性もありますが、保護団体の多くは寄付やボランティアで運営がされていますし、どこも手一杯に保護猫を抱えているはず。

捕獲・保護・里親募集・医療費など全てを 丸投げの依頼ではなく、 ご自分ができることと助けが必要なことをある程度明確にしてから相談してみてください。

◆ご自分で捕獲する

捕獲は、一度ではうまくいかなかったり長期戦になるケースもありますので、近隣や餌やりさんのご協力があることで捕獲はグッとやりやすくなります。

猫がよく出入りしている場所の近隣の方にお声かけしたり、餌場が分かっている場合には張り紙などで餌やりさんとコンタクト取れるようにしてみます。



猫好きな方たちばかりでは無いですが、猫嫌いや猫の糞尿に困っている方にこそ、 野良猫を保護することの必要性を説明し理解してもらえることで、協力を得られる可能性は充分にあります。

① 捕獲器の準備

普段から慣れていて容易に抱っこできる、または負傷して弱っている、など抱っこで捕獲できるようでしたらキャリーバッグひとつで捕獲できます。
キャリーバッグの用意が難しい場合は段ボールなどで代用できますが、飛び出してしまわないよう注意が必要です(猫は本気を出せば段ボールなど簡単に突き破ります)。

普段から慣れている猫であってもいざ捕まえようとすると警戒されてしまい、うまく捕獲できないケースが殆どですので、捕獲器を使って捕獲します。

捕獲器は、行政・動物病院・保護団体などで貸してくれるところもありますので問い合わせてみてください。借りる際に、捕獲器の使い方のレクチャーを受けておきましょう。

POINT!
・猫は暗くて狭い場所を好みます。捕獲器の扉以外の周囲を新聞紙などで覆い、猫がつい入ってしまう工夫を。
・排泄した時に取り替えやすく、猫の体も冷やさないよう、ペットシーツは捕獲器の中には敷かず外側から包みます。
・踏板は繊細なので捕獲器の中に厚手のタオルなどは敷かないように(作動しない可能性があります)。踏板の感触が苦手な子もいるので、内側に何か敷くなら新聞紙で踏板を隠すように。

猫の捕獲の仕方

② 捕獲器の設置

猫がいつもご飯をもらっている時間帯や場所が分かる場合には、その時間を狙って、いつもご飯をもらっている場所に捕獲器を設置します。

例えば、公園や駐車場などひらけた場所の広場でいつもご飯を食べていたとして、広場の目立つ場所にどで~んと捕獲器を設置しても警戒して猫はなかなか入ってはくれそうにありませんよね。猫の気持ちになって、つい隠れたくなりそうな物陰などに設置場所を定めていきます。

そして、捕獲をはじめる少し前から、ご飯をあげる(置く)場所を少しずつ捕獲器の設置予定場所に移動できるとベストです。

いつもご飯をもらっている場所が分からない場合には、猫がよく出没する(見かける)場所で、猫が捕獲器につい入ってくれそうな設置場所を探します。

公道に設置する場合には、捕獲器を設置している間はずっと見張っていないとならなたいめ(連れ去られたり虐待の危険もあるので公道に捕獲器を放置しないでください)、私有地への設置の許可が得られるとベストです。

人馴れしていない猫の場合
人馴れしていない猫は特に、日中人目につかないところでひっそりと過ごし、深夜から明け方にかけて行動的になります。深夜から明け方にかけて捕獲器にかかる猫はとても多いですので、捕獲器を設置する時間帯も工夫してみてください。

捕獲したい猫が複数頭いる場合
捕獲したい猫が複数頭いる場合には、捕獲器を数台用意して一気に捕獲できるとベスト。猫は見て学習してしまうので、1頭ずつ順番に捕獲しているうちに、後半の猫はかなり捕獲しづらくなってしまいます。

仔猫の場合
授乳中の子猫の場合は、どこかに母猫がいるはずなので探して一緒に捕獲してあげます。 母猫をそのままにしておくと次から次へと子供を産んでしまいますし、子猫だけを保護した場合数時間おきにミルクをあげる必要がありとても大変ですので、母猫がいれば人間も楽です。 子猫にベタベタ触って人間の匂いをつけてしまうと育児放棄してしまう母猫もいるので気をつけて。

生後間もない子猫の場合は、子猫が声を張り上げて30分以上鳴き続けていても母猫が寄ってこないようであれば、 命の危険があるので早めに保護を。特に冬場は、体温が下がらないよう全身を温めながら(カイロや、缶やペットボトルのホット飲料などはコンビニでも調達可能)病院へ連れていきましょう。

POINT!
・捕獲器の設置は、人通りと凹凸が少ない平坦な場所がベスト。
・設置中は猫が戻って来やすいように、警戒されない離れた場所で待機し見守ります。

③ 捕獲用ご飯

いつもご飯をあげていたり餌やりさんがいる場合には、ご飯をあげる(置く)場所を少しずつ捕獲器に近づけ、捕獲器の中(踏板の手前)でご飯を食べることに慣れてもらえるとベスト。

捕獲はなにより空腹時でないと捕獲器には入ってはくれませんので、餌やりさんとの協力や事前の情報収集が大切になってきます。
餌場が複数ある場合もありますのでできる限り把握し、捕獲器を設置する1日前から餌やりを止めてもらうよう協力を仰ぎます。

普段から好きなご飯があればそれを、分からなければ匂いが強めなご飯を用意します。ウェットフードや、猫のオヤツとして市販されているささみや焼きかつお、コンビニなどでも手に入る人間用の唐揚げ・ししゃも・焼き鯖などもおススメです。

POINT!
・踏板をしっかり踏んでもらえるよう、メインとなるご飯の器は捕獲器の一番奥に設置。
・踏板の手前に、誘導用のご飯をごく少量撒いておく。

2.医療ケアについて

無事に捕獲ができたら、動物病院で医療ケアをしてもらいます。
病院の診療時間外などですぐに病院に搬送できない時は、自宅などで一時保護しますが、ノミダニがついていることが殆どですので、自宅のガレージ・お風呂場・洗面所など、隔離できて猫にとっても静かで狭く落ち着く場所で、数時間捕獲器のままいてもらいます。

病院へ搬送する際には、病院でノミダニをまき散らさないために、捕獲器のまま新聞やシーツなどで全体を包んだ状態で運びます。

また、動物病院によっては野良猫に免疫がなく、人馴れしていない猫に触れない獣医もいますので、事前に動物病院に問合せしておきます。医療費も病院によって異なりますので、保護時に必要な以下のケアの費用も合わせて確認しておくと安心です。

・駆虫
・ウィルス検査(猫エイズ・白血病)
・ワクチン
・不妊手術(済んでない場合)
※検便や血液検査までできるとより安心です。
※猫エイズ・白血病のウィルスは潜伏期間があり、感染から陽性反応が出るまでに1~2か月ほどかかることがあるため、気になる方は2か月以降に再検査を。その際、保護場所に先住猫がいる場合には潜伏期間は接触を避けるのがベターです。

不妊手術は行政や動物愛護協会から助成金がおりる場合もあります。
また、餌やりさんや周辺住民と良い関係が築けているようなら、医療費のカンパをお願いしても良いかもしれません。

保護時の医療ケア

3.保護場所の確保

ご自身で猫を飼うことができない場合、猫に里親さんを探してあげることになります。里親さんが見つかるまでの間は、ご自身のご自宅で猫を保護してあげられるとベストですが、どうしてもご自宅で保護できないという場合には、一時的に保護してくれる一時預かりボランティアさんを探すことになります。

また、その場合には、「4.日々の猫のお世話」についても一時預かりボランティアさんに共有し、困ったことがあればすぐに相談にのれるよう一緒に猫を見守れる体制を作っていきましょう。

一時預かりボランティア の探し方については、こちら↓をご覧ください。
猫の保護場所をお探しの方

4.日々の猫のお世話

① ケージの準備

猫は場所の変化に非常に弱く慣れるまでに時間がかかります。
はじめて来た場所にいきなり自由に放たれた場合、ベッドやソファー下などの隙間に入り込んで何日も引き籠り、人馴れしていない猫の場合はそのまま全く慣れず家庭内野良のようになってしまう可能性も少なくありません。

猫にとっても狭い空間からはじめられることは、安心ですしストレスも軽減できます。

ケージでの生活が中長期になることを想定し、猫のトイレが置けて寝るスペースも確保できる、2~3段タイプのケージが用意できると安心です。オンラインショップでもいろいろなタイプが販売され、安価なものだと数千円から購入できます。

ケージを置く場所は、人や空間に慣れてもらうためにも、リビングなどある程度人の気配がする場所が良いですが、出入口やテレビの横など騒がしい場所は避けて。あまりにもリビングが常に騒がしかったり、猫の性格が臆病な場合には、寝室などの静かな空間からはじめた方が良いかもしれません。

ケージの中には、猫のトイレとたっぷりのお水は常備しておきます。スペースがあれば猫ベッドやタオルなどで寝床を作り、爪とぎ(コンパクトな段ボールタイプ)なども用意してあげます。

猫砂は、小さい粒の鉱物系などからはじめた方が、トイレと認識してくれ粗相が少ないようです。

② ケージでの生活

はじめのうちは猫も不安ですので、数日ごはんを食べなかったり、大きな声でひたすら鳴き続けることもあります。

ご飯は、これまで食べ慣れていたものや好物が分かれば同じものを用意しますが、なかなか食べてくれない場合には、ウェットフードやペースト状のおやつなどを上手く利用してみましょう。少量でも食べ、お水を飲み、トイレもしているようなら安心です。2~3日全く何も食べずトイレもしていないようなら動物病院に連れていきましょう。

夜鳴きは、この場所が安心だということが分かれば必ず鳴きやみますので、鳴き声がうるさくて寝れない・・・などとイライラせず、耳栓をして過ごすくらいどっしりと構えていきましょう。ご近所迷惑になる可能性もありますので、音漏れが気になるようでしたらご近所さんに事前に「猫を保護したので鳴き声でご迷惑をお掛けしてしまうかも」とご挨拶をしておくことで、ひどいトラブルは避けられるかと思います。

先住ペットさんがいるお宅

つい新しくやってきた猫にかまってしまいたくなりますが、新入り猫と先住ペットがその後相性良く暮らしてもらうためにも最初が肝心。人間よりも先に動物同士が仲良くなることを優先します。
先住ペットがヤキモチを焼かないように、いつも以上に先住ペットを可愛がり、 新入り猫にはご飯やトイレや体調管理以外ではできるだけかまわないようにします。

先住ペットが新入り猫に興味を示し、ケージ越しに近づいたり威嚇したりちょっかいをかけはじめたら、トラブルにならないよう気を付けながら見守ります。

ケージ越しに猫じゃらしなどのオモチャを使ってみんなで遊んでいるような時間を積極的に設けていきます。

どちらも威嚇や警戒が落ち着いてきましたら、ケージの扉を開けケージの外でも遊んだり、家の中を少し探検する時間を設けてあげます。 そして再びケージに戻します。この時、抱っこできるぐらい慣れているのがベストですが、抱っこして戻すことが難しいようならご飯やオヤツで誘導し自分から戻ってもらうようにします。

少し自由な時間を作ったら再びケージに戻す、といったことを毎日繰り返しながら、少しずつ自由な時間を増やしていき、いずれ完全なケージ卒業を目指します。

ケージ卒業後もケージを置いておけるなら、ご飯を食べる場所や、安心して眠る場所として使ってもらえるとベストです。里親希望者さんとのお見合いでは、怯えてしまってソファー下での面会になってしまったり、トライアルや通院の時に家中逃げ回って捕まえられない・・・なんて事もありますので、ケージに入る習慣があると何かと便利です。

人馴れしていない猫の場合

里親さんを探す場合、人馴れしていない猫を引き取ってくれる方はなかなかいませんので、里親さんを見つけやすくするためにも人に慣れてもらうことは保護期間中の大切なステップです。

人馴れしていない段階でケージから解放してしまうと、近づくと逃げ回りスキンシップが全くできないままに時間ばかりが経過してしまいますので、できれば撫でたり捕まえたりがケージの中で容易にできるぐらいになるまではケージで過ごしてもらいます。(ケージの中に長期間いることがストレスになる子もいるので、その場合は人馴れが長期戦になることを覚悟で、猫の様子を見ながら猫にとってベストな方法を選びます。)

まず、猫があまりに怯えているようなら、ケージの中に隠れられるような小さな段ボールを用意してあげます。さらに、大きなシーツなどの布でケージ全体を覆うなどして、テレビのボリュームや物音にも気を付けてあげましょう。

威嚇をする猫の場合は、ご飯やトイレの片付けの際に攻撃されないように気を付けます。ゆっくりな動きを心がけ、目を凝視することは猫の社会では喧嘩売っていることになりますので目が合ったらゆっくり瞬きを繰り返し敵ではないことを伝えます。また、声をかけてあげることも効果的ですので、なぜここに連れて来られたのか、ここが安心できる場所であることや人間は味方であること、これから楽しい未来が待っていること、などを優しいトーンで話しかけてあげましょう。

また、ご飯やトイレのお世話の際に、開けた扉から出てしまわないように気を付けます。万が一出てしまった場合には、ご飯やオヤツで誘導し自分から戻ってもらえると良いのですが、恐らく難しいですので、バスタオルで包んで捕まえる(後述します)という大惨事になってしまい、少し心が打ち解けたはずの猫も警戒心が振り出しに戻ってしまいますので、ケージからの脱走には細心の注意を。

猫の怯えが落ち着き、ご飯も完食できるようになり、ケージの外に興味をもちはじめたら、少しずつスキンシップをはじめていきます。触ることが難しそうでも、オヤツやオモチャに反応しそうであれば、それらのコミュニケーションからスキンシップを深めていきます。いきなり触ることは難しいですしケガの危険もあるので、猫じゃらしなどの長い棒のオモチャなどを使って顔周りを撫でることからはじめ、徐々にブラシや素手でも撫でられるようにしていきます。オモチャも猫によって反応する種類が異なるので、いろんなタイプのオモチャを試してみてください。(オモチャを食べてしまう猫もいるので出しっぱなしには注意です)

猫のオモチャ

人馴れしていて触れる猫の場合

人馴れしている猫で、先住ペットがいない場合には、必ずしもケージが必要ではありません。隔離できる部屋があるなら一部のエリアからスタートし、徐々に自由に動ける範囲を広げていきましょう。

子猫の場合

生後間もない子猫を保護した場合、離乳する生後1カ月くらいまでは数時間おきのミルクが必要になります。母猫も一緒に保護した場合には、安心して子育てができるよう1段タイプのケージやサークルなどを静かな部屋に用意し、授乳などの基本的なことは母猫にお任せしてしまって大丈夫。可愛いからつい子猫にかまってしまいたくなりますが、人間の匂いがついてしまうことで育児放棄をしてしまう母猫もいますし、母猫も育児で気を張っているので余計なストレスをかけないよう極力そっとしておいてあげます。

ただ、仔猫は体調の変化が激しいですので、体重測定は毎日行います。毎日10g前後増えますので、ミルクの飲みが悪かったり体重が増えない場合には、すぐに病院へ連れて行きましょう。

母猫がいない場合は、数時間おきのミルクと排泄、温度管理などきめ細やかなケアが必要になりますので、動物病院で適切なケアの指導を仰ぎます。

POINT!
触れない猫の捕まえ方
病院へ連れていきたい時や、ケージに戻ってもらいたい時に、抱っこできない猫を捕まえるにはバスタオルを使って捕まえます。

バスタオルを広げて追いかけてしまうと、永遠に追いかけっこになってしまい、下手すると猫が過呼吸になってしまうので、 隔離できる部屋やクローゼットの中など、逃げる範囲が狭くて済む場所にいるときを狙って捕まえます。
視界が妨げられると動きが鈍くなりますので、バスタオルで視界をふさぐようにして全身にかけます。頭がタオルから出てしまうとパニックになったり噛みつかれる危険があるので、頭がタオルから出ないよう気を付けながらタオルで全身を包みます。この時、手足の1本でも自由になるとものすごい脚力でタオルから飛び出してしまいますので、手足を固定しながらタオルで包みます。

病院へ連れていく場合には、大きめの洗濯ネットに入れてから(タオルごと洗濯ネットに入れてからチャックを閉め、隙間からタオルを抜き出します)キャリーバッグに猫を入れます。もし何かの不注意でキャリーバッグが空いてしまった場合に、脱走してしまうという最悪の事態を避けられます。

5.里親募集について

今、猫の平均寿命は15才と長くなり、医療の発達や完全室内飼育の徹底により今後益々寿命は長くなっていきます。

10年後15年後は、飼い主にも様々なライフスタイルの変化があると思いますが、いかなる時も家族の一員として大切にしてくれる方のところへ譲渡したいものです。

すぐに里親さんが見つかる事もあれば、数か月から数年となかなか里親さんが見つからないケースもありますが、焦らず、猫にとって最高なご家族とのご縁を大切にしていきましょう。

① 猫がどんなお家向きなのか考えてみましょう

日頃猫のお世話をしている中で、どんなお家での暮らしが向いているか、見えてくるところがあるかと思います。

とても甘えん坊な性格なのであればお留守番が少ないお家が良いかもしれないですし、ベタベタされることを好まず一人の時間を大切にしているようなら小さなお子さんがいないお家が良いかもしれない。

保護期間に他の猫も一緒に暮らしているようなら、猫好きなのか、猫嫌いなのか、特定の子とやたら仲良しなのかなどによっても、その猫がどんなお家であれば幸せに暮らすことができるのか見えてくるかと思います。

② 譲渡ポリシーを準備しましょう

二度と野良猫に戻ることがないように完全室内飼育や脱走防止対策を徹底してくださる方限定にしたり、里親希望者さんの年齢や家族構成を制限しておくことは、里親さんが見つかりにくくなるということ以上に、猫が安全で幸せに暮らしてもらうために非常に大切なことです。

譲渡ポリシー

保護猫の譲渡は、条件が厳しいと言われがちです。闇雲に条件だけで里親希望者さんを判断するのはどうかと思うところもありますが、トライアル譲渡の前に里親希望者さんと会ってお話できるのは1~2回程度です。その1~2回でその方に大切な猫を託して大丈夫かの判断をしなくてはならないため、洞察力や本質を見抜く力に自信が無い方は、予めある程度の制限を設けておくことも必要かと思います。

里親募集サイトなどから 、たくさんの猫を譲渡してきた方の譲渡ポリシーを参考にしてみてください。

里親詐欺について

里親詐欺は増えています。
虐待目的だったり、動物実験の研究機関や毛皮・三味線業者への売買目的です。
男性の単身者に気を付けることは勿論、幸せな家族を演じて子連れで譲渡会に忍び込む悪質なケースもあるようなので、譲渡の経験が少ない場合、独断で判断して譲渡しないよう注意しましょう。

身分証のコピーと勤務先の名刺の提示(どちらも偽装可能です)、ご自宅への訪問(トライアル時で構いませんが、玄関先での受け渡しはNG)の最低3つは徹底し、トライアルの受け渡しまでの期間はできるだけたくさんコンタクトを取り、少しでも不安に感じるところがあれば断る勇気を持ちましょう。

③ 具体的な里親募集の方法

子猫の場合は、生後2か月くらいまでの社会化期を親兄妹と一緒に過ごせることがとても大切。脳発達やコミュニケーション能力、性格に影響する大切な時期となるので、生後2か月を過ぎてから里親募集をはじめます。

◆身近な人に聞いてみる

まずは、知人や親戚、ご近所さんや職場の方などに、猫を飼いたい人がいないかを聞いてみましょう。

さらに、「猫を飼いたい知り合いがいたら教えて」と輪を広げることで里親さんが見つかりやすくなります。

里親詐欺の事を考えると、知っている方への譲渡が一番安心です。
直接知らない方で、紹介者も顔見知り程度の付き合いの場合は、その方にきちんと会ってから話を進めましょう。

◆里親募集サイト

いつでも里親募集中ペットのおうち などの里親募集サイトを利用してみましょう。

猫と暮らしたい方がたくさんサイトに訪れますが、里親募集中の猫の頭数もかなり掲載されますので、猫のチャームポイントを画像や文章でいかにアピールできるかが大切になってきます。

投稿はすぐ埋もれてしまうので、定期的に内容を更新しながらサイトの上の方に表示される工夫をしていきます。

◆譲渡会に参加

町で開催している譲渡会に参加してみます。インターネットで調べるといろんなエリアで譲渡会が開催されていますので、参加できるか問い合わせてみましょう。

猫は移動の変化に大変弱いため、せっかく譲渡会に参加しても、緊張からケージ内で固まってしまい、普段の様子が全く発揮できず、一度や二度の参加ではなかなか譲渡に発展しにくい傾向にあります。

しかし、猫と暮らしたい本気度の高い方が来場していることと、里親希望者さんと対面してお話できるため、その場でトライアルまでの話が進みやすいという利点もあります。

ケージの前で気に留めてくださった方には積極的に話しかけ、猫の性格や特徴をアピールし興味をもってもらいましょう。猫が普段遊んだりリラックスしている時の動画を用意してお見せするのも効果的です。

5.譲渡について

里親希望のお申し込みがあったら、事前に準備していた譲渡ポリシーに沿ってヒアリングを行っていきます。

もし、少しでも気になる点や不安に思う点があれば、クリアになるまで質問し、それでもクリアにならなければ勇気をもってお断りしましょう。お断りをする際には、相手の方を気遣う気持ちを忘れずに、トラブルに発展しないよう留意します。

① 面会

猫が保護されている場所まで、里親希望者さんに来ていただき面会します。
ご本人と分かる身分証明書のコピーと名刺もいただいておきましょう。

猫の性格や健康面、保護の経緯などについてできるだけ詳しく説明し、里親希望者さまの質問にもできるだけ丁寧に対応していきます。

里親希望者さんのお宅に先住ペットがいる場合には、ペットの性格を伺いながら、相性が合うか検討していきます。例えば、どちらも甘えん坊な性格の場合飼い主の取り合いになる可能性もありますし、老猫と遊びたい盛りの若い猫ではきっとどちらもフラストレーションが溜まりますよね。

里親希望者さんのお宅にお子さんがいる場合には、お子さんがヤンチャ過ぎやしないか、執拗に猫をオモチャにしたり追い掛け回されたりすることが無いよう、ご両親からお子さんにきちんと説明や注意ができるご家族関係であるかをみていきます。

飼育の面でお願いしたいことや、譲渡ポリシーの内容は改めて口頭で説明をして、きちんと理解していただけたか、実行していただけそうか判断します。

安心してお任せできそうでしたら(もし不安な場合は「のちほどご連絡します」に留めておきましょう)、譲渡前のトライアル期間について説明しておきましょう。

トライアル期間(2週間前後)

トライアルといっても、気軽にトライアルして気軽に戻されてしまっては、猫にとってストレスとショックは大きいもの。先住ペットや人間との相性をみるための気軽なトライアルではなく(そのためにも事前に先住ペットの性格や人間のライフスタイルを伺いながら充分に検討します)、予測不能な事態が発生しない限りは、本譲渡に向けて工夫や試行錯誤してもらう期間である、ということを理解してもらいましょう。

トライアルのお届け日までに、準備していただくもの(ごはん、トイレ、猫砂、ケージ、オモチャ、爪とぎなど)と、ケージの設置場所やケージでの生活のはじめ方についてもご案内しておきましょう。「4.日々の猫のお世話」に詳しく記載しています。一時預かりボランティアさん向け内容ですが、トライアル時も全く同様です。

② 猫のお届け(トライアルスタート)

里親希望者さんのお迎えの準備が整ったら、いよいよ猫のお届けに伺います。
玄関での受け渡しでは済ませず、必ず室内にお邪魔して猫に危険な場所がないか、脱走防止対策やケージの設置場所などもチェックさせてもらいます。

問題が無いようでしたら、ケージに猫を移動させます。
猫砂は、これまでに使っていた匂いがついたものを少量持参し、新しい猫砂に混ぜてもらうと粗相の心配が無いです。また、元のお家の匂いがするものがあると猫は安心しますので、いつも使っていたお気に入りの寝床やタオルなどがあれば持参し、ケージの中に設置します。ご飯は、急に変えるとお腹を壊す子もいますのでこれまであげていたものを少し持参し、少しずつ切り替えてもらいます。

仮譲渡契約書を2通用意し、サインと捺印をもらい、1通ずつ保管します。
仮譲渡契約書には、猫の所有権は保護主側にあることや、問題(虐待・ネグレクトなど)があればトライアルを即中断して猫を返してもらうことなどを明記しておきましょう。

また、はじめのうちは頻繁に猫の様子を連絡してもらえるよう、チャットやSNSなどの連絡先を伺っておきます。

お届けの際に少しでも気になることがあればすぐに中断して、猫と一緒に帰ってくる勇気をもってください(できれば一人ではお届けに行かない)。猫を守ることができるのは、あなただけです。

本譲渡

はれて正式に新しいお家の猫として迎え入れてもらうことになります。
できれば改めて里親さんのお宅に伺わせてもらいましょう。

本譲渡契約書を2通用意し、サインと捺印をもらい、1通ずつ保管します。
本譲渡契約書には、以下を明記しておくと安心です。

① 猫の所有権が里親さんに移ったこと
② 譲渡後も守ってもらいたいこと(5つの自由・完全室内飼育・終生飼育・脱走防止対策など)
③ ②が守られていない事が分かった場合、猫を返還してもらうこと

保護猫の譲渡の場合には、保護時の医療費の一部を譲渡費というかたちで保護主さんからいただくケースが多いです(1頭につき2~3万円前後)。
譲渡費をいただく場合には、トライアル前にお知らせしておきトラブルにならないようにしましょう。

また、保護期間中にどんな医療ケアを行ったか分かる明細(ワクチン証明書・ウィルス検査証明書・血液検査結果など)もお渡ししておきましょう。譲渡後に猫が動物病院にかかる際に、必要になることがあります。

譲渡後は、猫が元気で暮らしているかを一緒に見守れる長い関係性を、里親さんとうまく築いていきましょう。

全てお読みいただいた上で、捕獲または保護のことでお困りのことがございましたら、以下フォームよりご相談ください。
メールにてアドバイスさせていただいております。
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