保護猫のお迎えをご検討いただきまして、ありがとうございます。

ペットショップとは違って条件などが少し厳しく感じられるかもしれませんが、猫の幸せが最大の目的ですので、ご縁があったご家族にきちんと命のバトンを繋げたい趣旨をご理解いただけたらと思います。

猫との暮らしはとても楽しいものですが、単に「かわいそう」「癒されたい」「寂しい」という感情だけで飼育することはおすすめしません。以下に書かれていることが不自然に感じる方は「今は飼わない」という選択も大切です。


譲渡ポリシー

◆ 以下の方への譲渡はご遠慮いただいております(理由があります)

未成年・学生の方
収入やライフスタイルが落ち着かれてからのお迎えをご検討ください。

ご高齢の方
15~20年後の収入や健康面や寿命などを考えますと、子猫のお迎えは難しいです。
成猫・高齢の猫であれば譲渡の可能性もありますので相談ください。
猫も高齢になると、医療ケア・通院も頻繁になりますので、きちんとお世話いただける方に限ります。

出産予定・乳幼児がいらっしゃるご家庭
子育てが落ち着いてからのお迎えをご検討ください。

お子様がいらっしゃるご家庭
猫はマイペースな性格で一人の時間も大切にする動物です。
常に構われることがストレスになるため、ヤンチャなお子様がいらっしゃるお家は難しいです。
猫の性質や性格をきちんとお子様に説明し、遊ぶ時間の制限を設けるなどの工夫をしていただける場合には譲渡の可能性もありますのでご相談ください。

男性お一人暮らし
里親詐欺(虐待目的)が、男性お一人暮らしの方に多い傾向があります。面識がない男性お一人暮らしの方への譲渡が難しいことをご理解ください。

その他
ご高齢者のみの世帯、お留守番時間の多いご家庭には、遊びたい盛りの子猫は譲渡しておりません。

◆  終生飼養をお約束していただけること

お子さんができたら、猫への関心と愛情が薄らいでしまうケースが多々あります。

また、ご本人に終生飼養の覚悟があっても、周囲の反対にあう可能性もあります。

実際にあった飼育放棄の理由
✔結婚相手が猫嫌いだった
✔子供が生まれる時に両親に危ないと反対された
✔生まれた子供が猫アレルギーだった
✔ペット可住宅だけど鳴き声で苦情が出た
✔孫ができた
✔入院や施設に入ることになった

自分に同じような事態がおきたとき、どう対応や備えができそうか予め考えてみてください。

◆  猫の飼育可能な住宅にお住まいで、人と猫が快適に生活できる環境であること

ペット不可の住宅にお住まいの場合は譲渡しておりません。ペット可物件にお引越しされてからお申し込みください。

猫はのびのび暮らせる環境が理想的です。環境省の「5つの自由」

◆  人と猫が十分に生活できる安定した収入や経済力があること

日頃のご飯やトイレ以外に、医療費の備えが必要になります。

動物の医療費には、人間のような健康保険がないため(民間のペット保険に加入した場合でもカバーできない年齢や病気などがあります)、猫たちに充分な医療ケアを受けさせてあげられる備えが必要になります。

◆  完全室内飼育を守り、脱走防止に細心の注意を払っていただけること

野良猫が自由で幸せそうに見えたとしても、それは餌やりさんや医療ケアをしてくれる人が身近にいるごく僅かな猫で、かつ一面でしかありません。

捕食動物がいなくなった現代では自力で食べ物を見つけることは不可能ですし、ケガ・事故・極寒極暑・人間による虐待など、常に危険と隣り合わせ。室内猫の寿命が15才なのに対し、野良猫の平均寿命は3才ほどです。

まだまだ多くの野良猫たちがいる中で、奇跡的に保護された大切な命です。
ちょっとした不注意で脱走して、そのまま見つからない・・・というケースも多々聞きますので、室内の脱走防止対策にご協力ください。

◆  先住猫がいる場合は原則不妊手術済みであること

不妊手術が可能な月齢の子はみな手術を済ませてから譲渡に出していますが、先住猫に対しても基本的には不妊手術をお願いしています。

発情期は猫自身がストレスになること、不注意で脱走した場合に外で繁殖してしまわないようにするのが理由です。

ワクチン接種についても確認させていただいております。

◆  気軽なトライアルではないこと

猫は移動や環境の変化に弱い動物です。相性が良ければ飼いたい、という気軽なトライアルはご遠慮いただいております。

その代わり、先住猫さんの性格などを伺いながら、相性に関するアドバイスなどは精一杯させていただいております。

◆  キャパを超えて飼育数を増やそうとしないこと。

「かわいそうだから・・・」と飼育数を増やし、いつしかネグレクト状態に陥ってしまうケースも多々あります。

猫は基本的に単独行動の動物です。ご自宅のスペースに合った、ご家族できちんとお世話ができる頭数に抑えてください。

◆  譲渡した猫の様子を定期的にご報告いただけること

正式譲渡後も、定期的に写真付きで報告をお願いしています。
定期的なご報告の代わりに、猫たちの様子をアップしているSNSなどをお知らせいただくのでも大丈夫です。


猫の健康管理

◆  行っている医療ケア

保護した猫には以下の医療ケアを行っています。
その他、その子の健康状態に応じて必要な医療ケアを行っています。
・3種混合ワクチン
・ウィルス検査
・ノミダニ駆除、駆虫
・検便
・不妊手術(子猫の場合は月齢によっては譲渡後に里親さん負担で行ってもらいます)

◆  ウィルス検査について

ウィルス検査とはFIV(猫エイズ)及びFeLV(猫白血病)感染の有無の検査です。保護してすぐに動物病院にて簡易キットで検査をしていますが、厳密には、感染してから2ヶ月ほどの潜伏期間があるため、こちらで陰性の結果が出ていたにもかかわらず、後に陽性反応が出る可能性もあります。例えば、保護直前にウィルスに感染した場合、ウィルス検査では陰性の結果になります。ご心配の方は、再検査をお願いします。


トライアル前にご用意頂くもの

トライアル開始時に、身分証明書のコピーと名刺の交換をお願いしています。

◆  猫に必要なモノの備え

・フード(突然変えるとお腹を壊す子もいるため、はじめのうちはこちらで食べていたメーカーのものを続けていただきます。)
・ご飯用食器
・水入れ
・トイレ
・猫砂
・2段以上の高さのあるケージ (トライアルはケージ内からスタートします)

追々ご準備ください
・キャリーバッグ
・爪研ぎ
・おもちゃ
・おやつなど
・キャットタワー

その他、かかりつけの動物病院をお探しください。

◆  脱走防止対策

猫の安全を守るため、脱走しないように脱走防止対策をお願いしています。

玄関のドア
ご家族の出入りの際や、宅配便が来たときの開け閉めで脱走してしまうケースが多発しています。
玄関に猫が出入りできない対策をお願いします。


人がベランダに出る際に猫も一緒に出てしまい転落・・・
地震時にパニックをおこしたり、鳥をみて興奮し、 換気のために開けていた網戸を突き破って逃走・・・こういったケースはよく聞きます。
換気で窓を開ける場合には、猫が通り抜けができないよう対策をお願いします。

通院時
猫は動物病院への通院時などの移動時に脱走してしまうケースがあります。
洗濯ネットに入れてからキャリーに入れ、脱走を防いで下さい。
また、 車内に猫だけを残し長時間放置することの無いようお願いします。

◆  危険なモノのチェック

誤飲・誤食による事故に十分注意して下さい。
チョコレート・ネギ・薬・植物・アロマオイル・不凍液・紐や靴下・食べ残し・アクセサリー・防虫剤・洗剤・電気コードなどの誤飲・誤食は命の危険があります。
猫に危険なものは必ず、猫の届かない場所に保管し、事故を防いで下さい。

猫専門医・服部幸先生著書が大変参考になりますので、トライアル前に読まれておくことをお勧めします。
「猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑 ~誤食と中毒からあなたの猫を守るために」