挫折を繰り返し引き篭もった私が、「保護猫を幸せにするアドバイザー」になるまでの半生

こんにちは、えんです。

このページでは、私が今の活動「保護猫を幸せにするアドバイザー」に至った背景と、そこに込めた想いについてお話しします。

なぜ、エンジニアとしてのキャリアを捨て、対人恐怖症で引き篭もりながらも、猫に関わる活動を続けてきたのか。

私のこれまでの失敗や葛藤、そして猫たちから教えてもらった大切な気づきを、ありのままに綴りました。

少しだけお時間をいただいて、読んでいただけたら嬉しいです。


20代の頃に感じた、行動を起こしても「伝わらない無力さ」

話は遡ること、私がまだ20代だった頃。

殺処分される犬猫や、動物実験に利用される動物たちがいるということを知り、いてもたってもいられず、行動を始めました。

デモに参加したり、動物実験をしていない化粧品メーカーを電話で一件一件調べて、手書きのリストを作って配布したり、メディアに「真実を報道してほしい」と数百社へ問い合わせをしたり。

まだインターネットも普及していなかった時代。情報も、つながりも、限られていました。

そんな中、周囲の反応は薄く、だんだんと「伝わらない無力さ」に心が折れて、やがて何もやらなくなっていきました。

30代になると、仕事の忙しさや責任も増え、心と体の余裕がなくなっていきます。

3.11のとき、避難区域に取り残された動物たちが餓死していく写真をFacebookで見ながら、何もできない自分に不甲斐なくて、泣きながら仕事をした日もありました。

「今すぐ現地に飛んで行きたいのに、何もできない」
「自分が行っても、役に立たない」

そう思って、目の前のことをただこなす毎日でした。

1年で4頭の愛猫を看取りペットロス。不甲斐ない自分からの脱却

無理を続けた結果、社会不安障害と診断され、処方薬とアルコールの量が増えていきました。

そんな中、自分の不調を肩代わりするかのように、愛猫たちに次々と病気が見つかり通院や治療を数年続けながら、私自身の心と体も限界を迎えていました。

猫はきっと、ただ「そばにいてほしい」と思っていたはずなのに、私はハードワークで留守がちで、ほとんど一緒にいてあげることができませんでした。

やっと取れた休みも、自分の疲れを発散することばかりに使ってしまって、猫との時間を優先することができなかった。

本当にダメな飼い主でした。

中でも、消えることのない深い後悔があります。

その日は、偶然にも私が手がけたシステムのリリース日と重なっていました。

病院から「今日が峠かもしれない。できれば来てほしい」と連絡を受け、急いで仕事を抜けて病院へ向かいました。

治療室では、先生方が必死に処置をしてくださっていました。 それでも私には「リリースを終わらせなければならない」という仕事の重圧がありました。

深夜の病院の待合室。私は泣きながらパソコンを開いて作業を進めていました。

そんな私に、看護師さんが声をかけてきました。

「お母さん、そばにいてあげられないですか?」

大切な家族が必死にがんばっている時に、そばにいて手を握ってあげることすらできない。

「自分は、なんてひどい飼い主なんだろう」と思う一方で、仕事も放り出せなかった‥。


愛猫たちを立て続けに天国へ見送ってからは、会社に行くと過呼吸になるようになり、ある日社長に「生きるために猫を飼いなさい」と言われ、ペットショップに連れていかれそうになったとき、ハッとしました。

「私は、このままじゃだめだ」

それで、ペットショップではなく、里親募集されていた保護猫を迎えることにしたのです。

相変わらずのハードワークで留守がちだったので、留守番は淋しくないようにと仲良しの兄妹猫を探し、通院もしなくて済むように健康面も重視しました。

しかし、正式譲渡後に次々と体調を崩す兄妹猫たち‥

白血病とFIPを抱えていたのです。

再び、出社前に病院に通う日々がはじまり、妹猫は3ヶ月の短い命でした・・・。

そして私は、エンジニアのキャリアを捨て、会社を辞めました。

残された兄猫とは、これまでの猫たちにしてあげられなかった「そばにいる」という時間を、しっかり過ごしてから見送ることができました。

理想と現実のギャップ、そして人間関係の中で感じた“違和感”

たくさんのことに気づかせてくれた猫たちへの恩返しとして、そして、ずっと気になっていた分野に踏み込むために、保護猫活動を始めることにしました。

近所のおばあちゃんがしていた餌やりの手伝いから始め、里親募集サイトへの掲載、ポスター制作など、デジタルでできるお手伝いをしながら、Facebookでは保護猫情報を発信するコミュニティページを立ち上げ、さまざまな保護活動者とつながり、会いに行き、できることは何だってやってみました。

その頃に出会った仲間と保護団体を設立して約4年間運営してきましたが、掲げていたサスティナブルな活動とは程遠く、「この形では長く続けられない」とも思っていました。

そして、保護活動の現場で直面したのは、人間関係の泥沼でした。

優しさで成り立つ世界だと思っていたのに、気づけば自分も含めてドロドロとした感情を抱えながら活動する日々に、限界を感じていたのです。

団体を辞めて気づいた、人と関わらずに「ひとりでもできること」

保護団体をやめた後は、対人恐怖症で引き籠もっていたこともあり、私は「人と関わらずにできること」を探すようになりました。

まず、保護団体時代に感じていた、「一時預かりをしたい人」と「預かってほしい人」のマッチングがうまくいっていないことを解決するため、両者をつなぐマッチングサイトを立ち上げます。

3年間で1,000件以上の無料相談にのり、「野良猫の保護から譲渡まで」をサポートしてきましたが、1対1での対応には限界が出てきたため、ユーザー同士で繋がれるDiscordコミュニティや「猫だすけアプリ」の開発も行ってみました。(私の力不足でどちらもうまく機能させられず、現在はクローズしています。)

それと同時に、自宅でたくさんの猫を一時預かりしながら、その様子をYouTubeやInstagramに投稿もしていたんです。

最初はただの記録のつもりでしたが、次第に「参考になります!」というコメントが入るようになりました。

そこで、これまで自分が「感覚」でやってきた猫との接し方を、誰にでも伝わるように「論理的・体系的」に言語化するようになったのです。

かつて猫との時間を犠牲にして打ち込んだ「システム設計の思考」がここで役に立ちました。

そうして発信を続けるうちに、フォロワーさんも増え、「有料でもいいからえんさんに相談にのってほしい」と言っていただけるようになりました。

そこで、独学で猫の行動学をさらに深く学び、2021年から「保護猫のお悩み・トラブル改善」を目的とした、オンラインでの個別アドバイスを開始。

今では2,000件以上の実績があり、ありがたいことに「100%の変化・満足度」の評価をいただいています。

以前の自分のように、時間や心の余裕がなくて後悔してしまう飼い主さんを、一人でも減らしたいと思っています。

「家族に出会えた=ゴール」ではないという、過酷な現実

こうして「ひとり」で活動を続けながら、多くの方の悩みと向き合っていく中で、私は保護活動における“過酷な現実”にも直面していました。

・保護できても、ずっとの家族に出会えないまま生涯を終える子‥。

・せっかく譲渡できても、人馴れせずに病院にすら連れていってもらえない子‥。

・先住猫との不仲でしんどい状況に置かれている猫たち‥。

日々の活動や、相談を通じて見えてきたのは、「保護した!」「保護猫を迎えた!」といった表向きのハッピーエンドだけでは語れない、もっと現実的な問題でした。

そして私は、痛いほど思い知らされたのです。

「保護して、家族に出会えた!=ゴール(幸せ)」ではなかったということに。

命を繋いだ”その先”の暮らしが整ってはじめて、猫は本当の幸せを掴むことができるのです。

保護猫を「迎え入れる人」から、「幸せに暮らす人」を増やしたい

今、保護猫を迎え入れる人は増えました。

でもこれからは、ただ迎えるだけでなく「保護猫と幸せに暮らす人」を増やしたい。

「猫はしつけができないから、問題行動は諦めるしかない」

「元野良猫だから、トラブルが多くても仕方ない」

そう思い込んでいる方はとても多いですが、そんなことはありません。

猫の問題行動のほとんどは、その子に合わせた住環境や接し方を少し見直すだけで、いつからだって驚くほど改善できるのです。

そして、問題が起きる前に未然に防ぐ「予防」の観点での環境づくりもとても重要であり、今後さらに力を入れて伝えていきたいテーマでもあります。

その具体的な方法が世の中に広まれば、「保護猫と暮らすのは難しそう…」というレッテルを貼られずに済むはずです。

だからこそ、私はSNSやコラムでの発信を続け、個別のアドバイスを通じて家庭ごとの最適な環境づくりをサポートしています。

また、10年間続けてきた保護活動のノウハウをすべて詰め込んだ『保護猫活動スペシャリスト養成講座』も、1年かけて準備しスタートさせました。

一部の人が自己犠牲で疲弊するのではなく、「やり方」を知ることで、誰もが無理のない範囲で命を救えるようになってほしい。

保護団体やグループに所属しなくても、人間関係に疲弊せず、一人で自信を持って猫を幸せな家族へ繋げていく方法を、講座を通してお伝えしています。

これからは私自身が保護をするフェーズから、正しい知識を持って活動できる仲間を「増やす」フェーズへと役割を変えていきたいと思っています。

私が一人で頑張るよりも、ずっと多くの野良猫を幸せにできるはずです。

6年の引き篭もりを経て。もう一度、外の世界へ

気がつけば、対人恐怖症で引き篭もるようになってから、もう6年もの歳月が流れていました。

でも、猫たちが私を少しずつ新しい世界へ連れ出してくれたように、これからは人と関わることや新しい出会いも怖がらずに、また一歩、外の世界へと踏み出していきたいと思っています。

これまでの発信や個別アドバイスをベースにしながら、今後は猫との暮らしを楽しくするインテリアなど、新たなアプローチも少しずつ広げていくつもりです。

すべては、人と猫が「AHAHA」と笑い合える幸せな毎日のために。