猫の健康管理、自動化だけで大丈夫?自動トイレ・給餌器の注意点まとめ

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「その自動化、猫は本当に喜んでる?」

“便利”の裏にある、猫の小さな違和感に気づいていますか?

最近では、猫用の自動トイレや自動給餌器を取り入れるおうちが増えてきました。

「掃除がラク」「臭わない」といったレビューも多く、便利そうに見えるのは確かです。

私自身、テクノロジーの進化には興味があり、「いいかも!」と感じたこともあります。

でも、猫の行動や体調に関するご相談を2,000件以上受けてきたなかで、ふと疑問に思うことがあります。

「それって、猫の気持ちはどうなんだろう?」

この記事では、飼い主の“ラク”と猫の“快適”のあいだにあるギャップについて、実際のご相談事例や私自身の経験をもとにお話ししていきます。

便利さとうまく付き合いながら、猫が心地よく過ごせる環境を考えるヒントになれば嬉しいです。

レビューに足りない「猫の視点」

商品レビューを見ていると、「掃除が楽になった」「においがしない」といった“飼い主目線の快適さ”ばかりが目立ちます。

けれど、それは「人が感じにくい」だけであって、猫にとってはどうでしょうか?

たとえば、密閉型の自動トイレ。

下部には1週間分の排泄物が溜まり、その真上で猫が毎日用を足す構造になっています。

私たちには気にならない程度でも、猫の嗅覚は人の数万倍と言われるほど鋭敏です。

密閉空間の中で日々においを感じながら排泄するのは、想像以上のストレスかもしれません。

飼い主の「ラクさ」が、猫にとっての「不快さ」になっていないか。

そこに少しだけ意識を向けてみてほしいのです。

自動トイレの構造は「昭和のボットン式」?

多くの自動トイレは、排泄後にセンサーが反応し、ふるいで汚物を下のトレイに落とす仕組みです。

週1回のゴミ捨てで済み、臭いも閉じ込められる構造になっています。

でも、猫にとってはそのトレイの真上で排泄をするということ。

これは例えるなら、“現代のボットントイレ”状態。

嗅覚が鋭い猫にとって、1週間分の汚物の上で用を足すのは、私たちが想像する以上に不快かもしれません。

「掃除がいらない」の裏にある落とし穴

さらに、自動トイレにはもうひとつ見えにくい問題があります。

排泄物がふるいを通る過程で、側面やパーツに汚れが付着することも少なくありません。しかもドーム型で内部が見えにくく、知らないうちに汚れが溜まってしまうことも。

構造が複雑なぶん分解や丸洗いがしづらく、実際には「きちんと掃除できていない」ケースも多いと感じます。

「掃除が楽そう」に見える構造が、かえって猫にとって不衛生な環境になっていることもあります。

システムトイレは「清潔」?

システムトイレもまた、「掃除がラク」「尿のチェックがしやすい」と評判ですが、実際には誤解も多くあります。

濾過された猫砂の上に猫が乗るということは、つまり「尿に触れた場所に再び足を置く」ということ。

猫の尿は濃く、ベタつきやすいため、その足で布団やテーブルに上がることを考えると、清潔さには疑問が残ります。

私自身も一時期システムトイレを使っていましたが、「意外と臭いが気になる」「交換頻度が少なくても不衛生に感じた」「パーツが多くて丸洗い時に大変」と感じ、最終的にシンプルなトイレに戻しました。

また、採尿目的で選ばれる方もいますが、固まる猫砂でもちょっとした工夫で十分対応可能です。

粗相の原因が「トイレ」だったという事例

私のもとには、「突然粗相をするようになった」「トイレ以外で排泄する」というご相談が、日々寄せられます。

実際に、粗相がある猫の多くが、自動トイレやシステムトイレを使っていたというケースは少なくありません。

中には、数年間ずっと粗相に悩んでいた猫さんが、オープン型で固まる猫砂のトイレに変えた瞬間にピタッと治まったというケースもあります。

猫はとても繊細です。

排泄環境が落ち着けないと、ストレスによる膀胱炎など体調にも影響が出てしまうのです。

自動給餌器にも注意したいことがある

便利な自動給餌器も、実は気づきにくい落とし穴があります。

たとえば、私が過去に試した給餌器では、お皿の取り外しがスムーズにできず、無理に外そうとして指を挟んでしまったことがありました。

毎日洗う想定で作られていないようで、衛生面では不安が残りました。

また、「数キロ分まとめて入れられる大容量ストッカー」がウリになっている製品も多いですが、ドライフードは空気に触れると酸化が進みやすく、保存状態によっては栄養価の劣化やカビ、虫のリスクもあります。

乾燥剤が付いているものの、給餌器の構造上あまり密閉されていないことも多く、フードの品質保持としては不十分に感じます。

高機能やスマホ管理、遊び機能などの便利さに目を奪われがちですが、毎日口にするごはんだからこそ、「鮮度と清潔さ」が一番大切です。

自動給餌器は、災害時や留守番が長くなるときなど、“非常時の補助ツール”として活用するくらいが、ちょうど良いのかもしれません。

ちなみに最近は、1食ずつウェットフードをセットできるタイプの給餌器もあります。

ドライの酸化や衛生面が気になる方には、こうしたタイプの方が使いやすいかもしれません。

自動化で“異変”に気づきにくくなることも

自動トイレや自動給餌器は、忙しい毎日の強い味方。でもその一方で、猫の小さな変化に気づきにくくなることもあります。

たとえば自動トイレでは、中が見えづらく、「何度も出入りしている」「排泄の様子がいつもと違う」などの異変に気づきにくい面があります。自動トイレを使うなら、アプリで滞在時間や使用回数がチェックできるタイプがおすすめです。

また、衛生面からも1日1回は中をのぞいて確認し、サッと掃除することをおすすめします。

自動給餌器についても、食べ残しや食べるペースの変化に気づきづらいというデメリットがあります。いつも同じフードだけでは飽きてしまう子もいるので、ときどきウェットフードを取り入れて水分摂取を促すなどの工夫も大切です。

自動化に頼ること自体は悪いことではありませんが、「完全に任せきりにしないこと」が、猫の健康を守るうえでとても重要です。

自動化をうまく取り入れるために

自動化を全否定する必要はありません。むしろ、うまく使えば猫との暮らしがぐっと快適になる場面もあります。

大切なのは「使い方」。

✔️ 自動トイレとオープン型を併用する
✔️ 密閉タイプではなく様子が見える構造にする
✔️ 毎日簡単でも中をチェックする習慣をつける
✔️ 自動給餌器は「不在時のみ」にする、量は最小限にする
✔️ 災害対策として使うなら、停電時の電池駆動・Wi-Fi不通でもスケジュール実行可能な機種を選ぶ

そして何より、便利になった分、空いた時間を猫との関わりに使ってあげてほしいと思います。

「便利さ=猫の幸せ」ではないかもしれない

テクノロジーで暮らしが快適になるのは素晴らしいこと。でも、猫にとって「心地よいか」はまた別の話です。

「これは猫が喜ぶこと?」

そんな問いを、ときどき思い出してみてください。

飼い主の“ラク”と、猫の“安心”がどちらも満たされる暮らし。そのバランスこそが、猫との暮らしをもっと豊かにしてくれるはずです。