こんにちは。「猫を幸せにするアドバイザー」のえんです。
秋も深まり、家の換気をする機会が増えてきましたね。
しかし、この季節は同時に猫の脱走事故が増える時期でもあります。
今回は、猫の脱走を未然に防ぐ方法と、万が一迷子になってしまった場合の正しい探し方について、詳しくご説明します。
目次
猫が脱走する原因と危険性
なぜ猫は脱走するの?
多くの飼い主さんが「うちの子は大丈夫」と思いがちですが、実は予期せぬ状況で脱走するケースが後を絶ちません。
特に気をつけたいのが網戸からの脱走です。
普段は穏やかな性格の猫でも、外の鳥や虫に興味を持って、爪で網戸を破ったり、そのまま押し倒したりして、突発的に飛び出してしまうことはよくあります。
網戸は脱走防止には不十分
実は、網戸を信頼しすぎることが脱走の大きな原因となっています。
猫は知恵者で、様々な方法で網戸を突破してしまいます。
爪で引っ掛けて横にスライドさせたり、網目を広げたり、サッシ部分から網を引っ張って剥がしたりします。
特に注意が必要なのは、外の鳥を見て興奮した際の体当たりです。網戸ごと倒れて脱走してしまうケースも少なくありません。
一度脱走に成功した猫は、その方法を覚えてしまうという点も要注意です。
脱走による危険性
脱走した猫が直面する危険は想像以上に深刻です。
交通事故や他の動物とのトラブルなど、生命に関わる事故に遭遇するリスクがあります。
特に、室内飼いの猫は外の環境に慣れていないため、道に迷って帰れなくなったり、危険を適切に察知できないことが多く、危険リスクも高まります。
効果的な脱走防止対策
換気時の適切な開口幅
猫の脱走を防ぐ最も確実な方法は、窓の開け方を工夫することです。
猫の顔幅は約10センチほどなので、開き窓であれば、猫の顔幅以上に開けないようにすることが重要です。
実は、換気の効率は窓を大きく開けるよりも、5〜15センチメートル程度の隙間を複数箇所作る方が効果的です。
おすすめの窓ロック活用法
そこで、最も手軽で確実な脱走防止アイテムが、100均で購入できる窓ロックです。
このロックは工具不要で、開き窓であればサッシに簡単に取り付けることができます。
これを、窓の開口幅を5センチ以上開かない位置に設置すれば、左右の窓ともそれ以上開かなるので、ついウッカリ「開けすぎてしまった・・」ということや、家族の誰かが開けてしまうということも防ぐことができます。
つい、窓の鍵を閉め忘れてしまうお家にもお勧め。
大地震の揺れで窓が全開することでの脱走事故も防げますし、防犯対策にもなります。
頻繁にベランダや庭に出る窓の場合は、毎回外すのが大変になってしまいますが、換気でしか開けない家中のサッシ窓すべてに取り付けておくと安心です。
迷子になった時の探し方
万が一、猫が脱走してしまった場合の対応も重要です。
脱走直後は誰もが焦ってしまいますが、ここで冷静さを失うと、かえって猫を遠ざけてしまう可能性があります。
実は、脱走した猫のほとんどは最初の2〜3日間、自宅の周辺にとどまっていることが多いのです。
してはいけない探し方
焦るあまりやってしまいがちな以下の行動は、実は逆効果となります。
☑ 家族総出での大声での捜索
→ 猫が怖がってさらに遠くへ逃げる原因に
☑ 帰ってこれるよう置き餌や猫砂のばらまき
→ 他の猫を引き寄せてしまいやすく、室内猫が怖がり遠くへ逃げる原因に
効果的な探し方
発見のカギを握るのは、脱走直後の行動です。
まず、自宅周辺の物陰や茂み、車の下などをそっと確認しましょう。
猫は恐怖を感じると身を隠す習性があるため、日中は建物の陰や植え込みの中に隠れていることが多いです。
猫がウロウロしはじめるのは夜中なので、できれば脱走したその日のうちに見つけ出したいところですが、深夜にまで捜索が及ぶ場合は、大声を出したりせず静かに、懐中電灯を頼りに探すようにします。
日数が経つほど遠くへ行ってしまう可能性が高まるので、そうなってしまう前に近隣エリアでの目撃情報がとても大事になってきます。
早急に迷子猫のチラシを作り、近所にポスティングしながら、お庭に入っての捜索許可をもらったり、ガレージに隠れていないかなど確認してもらいます。(シャッターの中に閉じ込められるケースもあるので・・)
また、ポスティングは他のチラシなどに紛れて見てもらえていない可能性もあるので、掲示板や回覧版を活用したり、外壁に掲示してもらえるお家やお店などにも声をかけてみましょう。
猫の捜索は、都内や神奈川県で経験していますが、初動で少なくとも2,000部は印刷し、目撃情報が入らなければ増設して配布エリアを拡大します。
飼い主の声に反応して猫の方から近づいて来れたり、そのまま抱っこで捕まえられることは稀なため、有益な目撃情報が入ったら、捕獲器を夜中に仕掛けて捕まえる流れになります。
お勧めのアプリ
迷子猫捜索で大変お世話になったのが、ペットレスキューの藤原博史さんです。
NHKドラマ 「猫探偵の事件簿」では、藤原さんの実話がドラマ化されていたり、情熱大陸に出演されたりと、猫探偵のカリスマ的存在です。
「ドコノコ」アプリは迷子捜索にも使えますし、藤原さん監修の迷子探しマニュアルが非常に役立つはずです。
また、ペットレスキューのサイトでも専門家からのアドバイスを受けられるようになっているので、活用されてみてください。
猫のお散歩について
最近SNSで、リードを着用してお散歩する猫が人気ですが、実はリスクが高い行為です。
「ウチの子も、お散歩してみたいのかもしれない!」と真似して、パニックになった猫がリードを外して脱走してしまったケースを頻繁に耳にします。
「猫は液体」と言われますが、リードなどは難なく外せてしまいます。
リードの着用や外出に慣れていない猫は、無理に散歩をさせる必要はありません。
その代わりに、室内だけでも充分に楽しく過ごせるよう、室内でできる工夫や刺激をたくさん増やしてあげるようにしましょう。
こちらのブログでは、室内猫が楽しく過ごせる工夫をたくさん紹介しています。
まとめ
猫の脱走対策で最も重要なのは「予防」です。
特に換気の機会が増えるこれからの季節は要注意。100均の窓ロックなど、手軽にできる対策から始めましょう。
愛猫との生活をより安全で快適なものにするために、本ブログで紹介した対策を参考にしていただければ幸いです。
猫を幸せにするアドバイザーとして、飼育トラブル・室内環境・保護活動・商品やプロジェクトのアドバイスや監修を行っています。保護猫シェルターや、シェルターを持たない一時預かりプラットフォームの運営を経て、現在は「みんなで猫だすけ」アプリの開発・運営を行う。
資格:キャットライフアドバイザー/猫との住まいアドバイザー/ペット共生住宅管理士/犬猫行動アナリスト/愛玩動物飼養管理士2級 他