こんにちは、「猫を幸せにするアドバイザー」のえんです。
今回は、室内で過ごす時間が長い猫たちのために、簡単にできる環境改善のアイデアをご紹介します。
「猫専用の通り道」は、家具の配置を少し工夫するだけで実現できる、とても効果的な方法なんです。
目次
室内猫が抱える「退屈」という問題
室内で生活する猫は、思った以上に退屈していて、ストレスや問題行動の原因にもなりかねません。
そこで重要になってくるのが、室内環境の充実です。
5秒でできる「猫専用の通り道」の作り方
では、具体的にどうやって「猫専用の通り道」を作ればいいのでしょうか?
実は、とても簡単な方法があります。
ポイントは「壁からの距離」
通常、私たちは家具を壁にぴったりとつけて配置していますが、家具を壁から30〜50cm程度離して配置してみましょう。
これだけで、猫にとって魅力的な「通り道」が完成します。
おすすめの家具は?
この方法に適した家具は、あまり高さのないものがベストです。
例えば、ソファやチェストなど、腰くらいの高さの家具が理想的です。
「猫専用の通り道」がもたらす意外な効果
家具の後ろに作られた「通り道」は、単なる移動経路以上の効果をもたらします。
1.「安全地帯」を手に入れる
猫が狭い場所や薄暗い場所を好む理由は、野生の本能に根ざしています。
野良猫を思い浮かべてみてください。
家と塀の間の狭いスペースによく潜んでいませんか?これは、人目につかず安心できる場所だからです。
室内に同様の空間を作ることで猫は、
1.静かにくつろげる場所を得られる
2.来客時など、怖い思いをした時にすぐに身を隠せる
3.他の猫から距離をおきたい時に活用できる
など、様々なシチュエーションで利用できる「安全地帯」を手に入れることができるのです。
2. ワクワク感の創出
狭い場所から広い空間に出る時、猫は特別な興奮を覚えます。
これは人間で言えば、トンネルを抜けた時の開放感に似ています。
この小さな「冒険」が、猫の日常に刺激を与えるのです。
3. 遊びの幅が広がる
家具の後ろという新しいスペースは、飼い主との遊びにも活用できます。
床に近い場所で過ごす猫にとっては「死角」が増えるので、おもちゃを使った追いかけっこや、おやつを隠すゲームなど、猫の好奇心を刺激する遊びが可能になります。
☑ おもちゃを使った「狩り」ごっこ
☑ ノーズワーク(鼻を使ったおやつ探し)
注意点:すべての猫に適しているわけではありません
「猫専用の通り道」は多くの猫にとって素晴らしい環境エンリッチメントになりますが、いくつかの注意点があります。
人馴れしていない猫の場合
人に慣れていない猫にとって、家具の後ろは「完璧な隠れ家」になってしまう可能性があります。
これでは、飼い主とのスキンシップの機会が減ってしまいます。
人馴れしていな猫の場合は
☑ 完全に隠れられる場所は控えめに
☑ 適度に安心でき、かつスキンシップも可能な場所を用意する
といった配慮が必要です。
併せて読みたい
多頭飼育で不仲による追い回しがある場合
猫同士の関係性が良くない場合、家具の後ろの通路が追いかけっこの舞台になってしまう可能性があります。
追われる側の猫が家具の裏をコソコソと通ることで、追う側の猫のハンター本能が刺激されてしまうのです。
このような状況では、追いかけっこがエスカレートする恐れがあります。
解決策:幅広で短めの通路を
このようなトラブルのリスクを減らしつつ、「猫専用の通り道」のメリットを活かすには
☑ 通路の奥行きを広めに(壁から50cm以上離す)
☑ 通路の長さは短めに
このように設計することで、猫が完全に引きこもることを防ぎつつ、適度な隠れ場所や迂回ルート、通り道の選択肢として機能させることができます。
猫の幸せは環境づくりから
ここまで、簡単なDIYで作れる猫専用通路についてご紹介してきました。
このような小さな工夫が、実は猫のストレス軽減や幸せな生活に大きく貢献するのです。
室内で過ごす時間が長い猫にとって、環境の質は非常に重要です。
退屈やストレスは様々な問題行動の原因になりかねません。
しかし、ちょっとした配慮で、猫の生活をより豊かで刺激的なものにすることができるのです。
プロのアドバイスを活用しよう
猫の行動や心理は複雑で、一般的な方法が全ての猫に当てはまるわけではありません。
特に
☑ 人馴れしていない猫がいる
☑ 多頭飼育でトラブルがある
☑ 特定の問題行動に悩んでいる
といった場合は、プロのアドバイスを受けることをおすすめします。
私は猫を幸せにするアドバイザーとして、様々な悩みを抱える飼い主さんのサポートを行っています。
室内環境の改善から問題行動の解決まで、猫と飼い主さんの幸せな関係づくりをお手伝いしています。
最後に、このブログ記事の内容を解説したショート動画も用意しています。興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
猫を幸せにするアドバイザーとして、飼育トラブル・室内環境・保護活動・商品やプロジェクトのアドバイスや監修を行っています。保護猫シェルターや、シェルターを持たない一時預かりプラットフォームの運営を経て、現在は「みんなで猫だすけ」アプリの開発・運営を行う。
資格:キャットライフアドバイザー/猫との住まいアドバイザー/ペット共生住宅管理士/犬猫行動アナリスト/愛玩動物飼養管理士2級 他