こんにちは、「猫を幸せにするアドバイザー」のえんです。
今日は、室内で暮らす猫たちにとって本当に大切な「高い場所」についてお話しします。
キャットタワーを置いているから大丈夫…と思っていませんか?実は、それだけでは足りないかもしれないんです。
目次
なぜ猫に高い場所が必要なの?
猫たちの祖先は、野生で生きていた頃、主に高い場所で暮らしていました。
木の上から周りを見渡し、身の安全を確保したり、獲物を狙ったりしていたんです。
この本能は、現代の室内猫にも受け継がれています。
高い場所が必要な理由は、大きく分けて3つあります。
1.不安をなくし、自信をつける
2.室内猫にもテリトリーは必要
3.ストレスを減らし、刺激を増やす
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
不安をなくし、自信をつける
猫は高い場所にいるほど、自信がつきます。逆に、床面積しか移動できる場所がないと、不安になってしまいがちです。
人間の家族が多い家庭では特に重要で、床から人を見上げると、私たち人間が巨人のように見えてしまうんです。
これは猫にとってストレスになる可能性があります。
高い場所を用意することで、猫は安心して周囲を見渡せるようになり、自信を持って行動できるようになります。
室内猫にもテリトリーは必要
野生の猫は、広大なテリトリーを持っています。特にオスの猫は、半径数キロにもわたる広いエリアを自分のテリトリーとしているんです。
でも、室内猫の場合は極端に狭くなってしまいます。
多頭飼いの場合、テリトリーが狭いと猫同士のケンカの原因になることも・・
高い場所を増やすことで、猫それぞれのテリトリーを確保でき、ケンカを減らすことができます。
また、高い場所は猫同士の「迂回ルート」としても活用できます。床で鉢合わせてケンカになるのを避けられるんです。
ストレスを減らし、刺激を増やす
室内飼いの猫は、外出できないぶん刺激が少なくなりがちです。
海外の研究によると、都市化が進んだエリアで室内飼育の猫に泌尿器系のトラブルが増えていたそうです。
これは、ストレスが直接的な原因になっているんですね。
日本では完全室内飼育が推奨されていますが、動物先進国では猫が外を自由に行き来できるような住環境も多いんです。
例えば、アパートの外壁に猫用の階段があったりするんですよ。それくらい、猫には適度な刺激が必要なんです。
でも、日本の都市部で猫を外に出すのは危険がいっぱい。だからこそ、お家の中で刺激的な環境を作ることが大切になってきます。
高い場所を作ることで、猫は安心してくつろげるだけでなく、自信もつき、テリトリーも広がり、さらに適度な刺激も得られるんです。一石三鳥ですね!
具体的な高い場所の作り方
では、具体的にどうやって高い場所を作ればいいの?
キャットタワーは、もちろん重要なアイテムです。でも、それだけでは不十分かもしれません。
大切なのは、猫が床に降りずに横移動できるような「動線」を作ることです。
低い家具から高い家具へと段階的に登れるようにしていきます。
以下のようなアイデアを参考にしてみてください。
既存の家具を活用する
✔ 収納棚などの家具の一番上を猫の通り道として開けておく
✔ 本棚の一部を猫用スペースにする
✔ ソファーの背もたれも猫の通り道になる
✔ ケージの上にマットを敷いて、くつろぎスポットにする
キャットステップやキャットウォークを設置する
✔ 市販のキャットウォークやキャットステップを付ける
✔ キャットウォークをDIYする
お勧めの市販のキャットステップや、カンタンに設置できるラブリコキャットウォークの作り方はこちらをご確認ください。
窓際のスペースを活用する
✔ 窓辺に棚を設置して、外を眺められるスポットを作る
✔ 吸盤タイプの見晴台を取り付ける
これらのアイデアを組み合わせて、お家全体で猫が自由に動き回れる環境を作ってあげてください。
注意点とアドバイス
安全性の確保
高い場所を作る際は、猫の安全を第一に考えましょう。棚や家具がしっかり固定されているか、落下の危険はないかをよく確認してください。
滑りやすい素材の上には、滑り止めマットで対策します。
シニア猫の場合は高すぎないように注意し、ステップ間の幅も狭めに調整していきましょう。
段階的な導入
新しい高い場所を一度にたくさん作ると、猫が戸惑う可能性があります。
少しずつ増やしていき、猫の反応を見ながら調整していくのがおすすめです。
猫にとって窓は重要な場所。
まずは窓から取り掛かり、反応を見ながら左右に動線を広げていきましょう。
個性に合わせたカスタマイズ
猫それぞれに好みがあります。高いところが苦手な猫もいるかもしれません。
あなたの猫の性格や好みに合わせて、環境を整えていってくださいね。
また、新しいものを警戒しすぐに使わない猫も多いです。
季節が変わった頃に急に使い始めることもあるので、すぐに撤去したりせず、オヤツやオモチャで誘導しながら、新しく動線ができたことを知らせるようにしましょう。
多頭飼いの場合の配慮
多頭飼育の場合は、それぞれの猫が自分の居場所を見つけられるよう、十分な数の高い場所を用意します。
たくさんお気に入りの居場所を持っている猫ほど、短時間のサイクルで寛ぎスポットを行き来しているものです。
移動しようと思った場所が、先に使われていることが重なると、ストレスになります。
頭数に併せて、高い場所は多めに用意してあげましょう。
まとめ
室内猫にとって、高い場所はとても重要です。
単にキャットタワーを置くだけでなく、お家全体で猫が自由に動き回れる環境を作ることで、より幸せな猫ライフを実現できます。
既存の家具を活用したり、キャットステップを設置したりと、工夫次第でお金をかけずに猫にとって快適な環境を作れます。ぜひ、あなたのお家でも試してみてください。
猫との暮らしをより楽しく、より幸せなものにするために、高い場所づくりを始めてみませんか?きっと、愛猫も喜んでくれるはずです。
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猫を幸せにするアドバイザーとして、飼育トラブル・室内環境・保護活動・商品やプロジェクトのアドバイスや監修を行っています。保護猫シェルターや、シェルターを持たない一時預かりプラットフォームの運営を経て、現在は「みんなで猫だすけ」アプリの開発・運営を行う。
資格:キャットライフアドバイザー/猫との住まいアドバイザー/ペット共生住宅管理士/犬猫行動アナリスト/愛玩動物飼養管理士2級 他