
猫をお迎えする際に、ケージは必要なのだろうか・・・?
どんなケージを選んだら良いのだろうか・・?
そんな疑問がある方へ、ケージの購入や選び方を失敗しないように、保護猫活動をする中でいろんな種類のケージを使ってきたわたし視点で 、ケージの必要性や選び方を解説していきます 。
ケージの必要性
ケージを置くと部屋が狭くなるし、はじめのうちしか使わないからいずれ必要なくなるな・・と、ケージを購入するべきか迷っている方は多いかと思います。
猫の飼育初期は思いもよらぬ様々なトラブルが発生しがちですので、猫の安全ためにも、猫と早く仲良くなるためにも、ケージはあった方が便利です 。
ケージ卒業後も、キャットタワーや災害時にもケージは便利に使えますし、必要がなければコンパクトに収納でき、ジモティーなどで簡単に手放すことができる時代ですので、ケージの必要性を知って猫飼いさんの必需品としてぜひケージを取り入れていただきたいです。
ケージの必要性
① 猫の安否と状況が把握できる
② テリトリーを少しずつ広げられる
③ 脱走防止になる
④ 人馴れしやすい
一つずつ、解説していきます。

① 猫の安否と状況が把握できる
猫は環境の変化にとても弱い動物です。
猫はもともと狭くて暗い場所を好みますが、猫をお迎えしたばかりの頃は、”はじめての場所” “知らない人” に怯え、いつも以上に狭くて暗くて人間の手が届かない場所に隠れたり引き籠もってしまいます。
人間から見ると「隙間などない」と思えても、猫は数センチの隙間があればすり抜けることができる隠れんぼの天才です。
ソファーの下、ベッド下収納の隙間、クローゼットのダンボールの中、キッチン下の隙間、エアコンの上、さらには洗濯機の下の隙間から中の空洞に入り込んでしまう子も実はとても多いのです。。。
見つからないままに洗濯機を回してしまったりしては、大変危険・・・
猫の隠れ場所が分かったとしても、容易に触ったりそこから出すことが出来なければ、その場所で引き籠もり生活が続くことになり、安否や状況が確認しづらく、ご飯を食べたりトイレでの排泄なども難しくなります。
そんな状況を避けるためにも、ケージの中で猫が快適に過ごせる空間をコンパクトに用意してあげることが必要になります。
② テリトリーを少しずつ広げられる
猫はテリトリーを大切にする動物です。
安全で落ち着ける場所が一箇所あれば、その場所をホームテリトリーにして、安心して少しずつ自分のペースでテリトリーを広げていくことができます。
もし怖い思いをしても安全に逃げ込めるホームがあることで、また冒険に挑むことができ、そうやって少しずつ自分のテリトリーを広げ、「この場所(家)は自分の居場所なんだ!」と自信をつけていくことができます。
ケージは、最初の安心できるパーソナルスペースとして最適です。
③ 脱走防止になる
上述したように、この時期の猫は精神的に不安定で大きなストレスを抱えていますので、夜鳴きをしたり「この場所から逃げたい」と脱走できるチャンスを伺っています。
換気で開けた窓の網戸を突き破り脱走する子や、玄関ドアが開いた隙に外に出てしまう子も少なくないのです・・・
かと言ってケージがあれば絶対安全ということはなく、ケージの扉を無理にこじ開けたり、ご飯や掃除でお世話をしている最中にケージから脱走し、開いていた窓から外へ出てしまうケースもあります。
こんな悲しい話があります。
譲渡した兄妹猫がそろってケージから出てしまい、開いていた窓からも脱走し、そのまま車に跳ねられて即死。もう一頭は一週間後に衰弱死の状態で発見・・・。
猫を幸せにするために里親さんに託したのに、こんなことになるとは・・
脱走防止対策という意味でも、この時期は特にケージの中で過ごさせてあげてほしいです。
④ 人馴れしやすい
猫と仲良くなりたくても、 ケージが無ければ 猫は容易に人との距離を保ててしまいますので、近づいても逃げられてしまい、距離を縮めることが困難になります。
かたやケージで過ごしていれば、人間が近づいても逃げようがなく人間と向き合うしかありませんので、はじめのうちは怖がったり威嚇していたとしても、次第に諦めて人間を受け入れる気持ちが整ってきます。
ケージの隙間からスティック状のおやつを与えたりオモチャで遊んだりするうちに次第に仲良しになれます。
ケージ期間中に触れるくらいまで人馴れしてから、少しずつケージから出すようにすれば、家庭内野良のようにならずに済みますし、通院や災害時に困ることもありません。
ケージが要らないケース
上述したように、ほとんどの場合ケージがあった方が良いのですが、抱っこできるほど新しい家族にも人馴れしている猫で、 ①~④の心配がない 安全な室内環境が整えられれば、ケージが無くても大丈夫ということになります。
以下が全て当てはまる場合には、ケージは必要性を感じた時点で用意するというのでも良いかもしれません。
・抱っこできるほど、新しい家族にも人馴れしている
・玄関や窓の脱走防止対策がされている
・人間の手が届かない場所や、隠れられて困る隙間がない
・先住ペットがいる場合、隔離部屋がある
(先住ペットがいない場合も、狭い空間から慣れてもらうのがベスト)

ケージの選び方
大きすぎると邪魔になるからと、コンパクトなケージを選びたい方が多いかもしれません。
猫の性格によってはケージ生活が長期になることもあるため、2~3ヶ月(猫にとっては人間の感覚の4倍なので1年ほど)ケージの中だけでも快適に過ごせるかな?といった視点で選ぶことが大切になってきます。
ケージの広さ
1段目にトイレを置き、2段目から上の段でご飯・睡眠・運動を行えるようにします。
コンパクトサイズのケージは、2段目から上の棚板スペースが狭く、横になったり脚を伸ばしてリラックスしにくいものが多いです。
また、怖がる猫には籠もれるようなドーム型ベッドや、季節に応じてクールマットやホットカーペットが必要になりますが、それらを置くスペースが無かったり、横幅が足りず落下してトイレを覆うこともありますので、特に体が大きい成猫や、人馴れしていないなどでケージ生活が長期になりそうな場合は、コンパクトすぎない広さのケージを選んであげてください。
トイレ掃除をしている時に脱走されやすいので、一段目の扉からトイレがスムーズに引き出せるか、扉のサイズも確認しておきます。
ケージの高さ(段数)
レイアウト的にコンパクトサイズしか置けないようでしたら、高さでスペースを確保できる3~4段タイプを選びます。
2頭以上の場合も、それぞれが寛げるパーソナルスペースが必要になるので3~4段は必要になります。(仲良しでない場合は、別のケージを用意)
1ヶ月未満の子猫の場合、ケージをよじ登っては危険なため、成長に合わせて高さを可変できるタイプのケージか、サークルがオススメです。
こんなタイプのサークル ↓
ケージの種類
「スチール」「プラスチック」「木製×スチール」「プラスチック×スチール」など種類はいろいろとあり、何を選んだ良いのか迷ってしまうところです。
軽さと掃除のしやすさ的には、「プラスチック」→「スチール」→「木製」となりますが、家具っぽい見た目でインテリアに馴染みやすい木製タイプも人気です。
ただ、キャスターが無い場合、重さも20~30キロになるため頻繁にケージを移動させるのは難しくなります。
また、棚板も木製の場合、こぼしてしまった水が吸収され次第に腐って使えなくなるので、部品購入ができるかも確認しておきましょう。
ケージの扉(手前に開く/横スライド)
ケージの扉は、手前に開くタイプか、横スライドがあります。
手前に開くタイプだと、扉を開くスペースがケージの前側に必要になるため、設置場所によっては使いづらくなることも。
また、扉の隙間を無理やり広げてケージから脱走されやすいのも、手前に開くタイプになります。
ケージで過ごす期間が終わり、ケージの扉を開けたまま使用する際にも、中途半端に開かれた扉が邪魔になったり、施錠の金属がぶつかりあう音がガチャンガチャンと気になるので、扉は横スライド式がオススメです。
拡張性
ケージ暮らしの期間・成長・状況に合わせて、ケージの高さを1段・2段・3段と切り替えることができたり、棚板の位置を変えられるタイプは何かと便利です。
ハンモックを吊り下げたり、ステップを追加したりと、遊具の要素を加えられるかどうかも合わせて確認してみます。

オススメのケージ
保護猫活動をしている人から絶大な人気を誇る「アイリスオーヤマ コンビネーションサークル」は、上述したケージ選びのポイントもほぼおさえています。
このケージ、わたしは使ったことがないので体験レビューはできませんが(茶色しかないのがネック)、 周囲で使っている方から不便の声は今のところ聞いたことがありません 。
・充分な広さがある(93×65cm)
・棚板もゆったり(44×57cm)
・扉は横スライド式で、右開き・左開きを選べる
・16Kg(2段)と比較的軽量
・移動が楽なキャスター付き
・横にも縦(3段まで)にも拡張可能
・棚板の位置は可変できる(たぶん)
ほんとに使い勝手が良さそうなので、今使っているケージを手放してこちらにチェンジしたいなぁ~(白いスプレーペンキで塗装しちゃう?)と企んでいます。
いかがでしたでしょうか。
今回は、ケージの必要性と選び方についてまとめてみました。
こちら↓の記事では、 ケージの置き場所の考え方について詳しくまとめていますので合わせて参考にしてみてください。
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◆夜鳴き・脱走などのトラブル対策
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保護猫シェルターの運営を経て、シェルターを持たない保護猫活動「AHAHA」を運営。
猫を幸せにするアドバイザーとして、猫飼いさんや猫を保護したい方のお役立ちコラムやSNS発信をしています。猫歴27年、譲渡猫200匹、猫の相談500件以上。
資格:キャットライフアドバイザー/猫との住まいアドバイザー/ペット共生住宅管理士/愛玩動物飼養管理士 他