
実在する猫たちが「シャーーーーッッ!!」っと威嚇している、イラストや実際の動画を出展したNFTコレクション。
悲しい殺処分や野良猫の問題について、これまで知る機会が無かった方たちへ一人でも多く届くように・・・と、コレクションに込めた思いを分かりやすく解説していきます。

目次
野良猫の問題とは?
日本では、年間2万頭もの猫を、国が税金を使って殺処分しています。(2020年度)
その方法は安楽死ではなく、もがき苦しむガス窒息死。
その猫たちはどこから来るのかというと、 負傷猫以外は国が捕獲できない法律なので、市民が保健所に持ち込んだ猫たちになります。
23%・・・飼い主(飼育放棄)
77%・・・所有者不明(野良猫)
※77%のうち68%が子猫
殺処分数はどうしたら減らせるか
この数はどうしたら減らせるでしょうか?
分解して考えてみます。
持ち込まれた猫
保健所にはおよそ4.5万頭もの猫が持ち込まれ、以下の対策により殺処分数は半分以下になっています。
・引取り拒否(飼い主への返還)
・里親を探し、譲渡
・保護団体への引き出し
ただ、持ち込まれた猫は殺処分までに期限があり、長くても1週間前後。
この期限を長くすれば、譲渡や保護団体への引き出し数は増やせそうです・・・
持ち込まれる猫
では、持ち込まれる猫はどうやったら減らせるでしょうか。
23%の飼い主の持ち込みについては、お金さえ払えば購入できてしまうペットショップへの規制や、飼い主の生き物に対する価値観やリテラシーを上げていくことで改善できそうですが、犯罪が世の中から無くならないのと同じように、完全にゼロにすることは難しいのかもしれません。
対して、77%の野良猫については、やり方しだいで果てしなくゼロに近づけることはできそうなのに、実際は猫の繁殖力の高さに対応が追いついていません。
環境省の資料によると、1頭のメス猫が3年後には2000頭にもなる計算なんだとか・・・
77%のうち62%が子猫というのは、誰にでも簡単にひょいっと捕まえられるからな訳で、捕まえることが難しい人間に警戒している成猫は、そのまま放っておけば更に子猫を産みますので、殺処分される子猫の数はますます膨れ上がることになります。
ということは、野良猫を捕まえて片っ端から不妊手術をする必要がありますが、国は野良猫を捕獲できませんから、一部の市民が捕獲作戦を実行し、身銭を削って不妊手術を行っています。
ただ、誰もそんな大変なことを好き好んでやりたがりませんから、猫の繁殖力には追いつかず野良猫は一向に減りません。
野良猫は幸せか?
捕獲して不妊手術を行った猫は、元いた場所に戻し一世代限りの命としてお世話をするか(地域猫活動/TNR)、余力があればそのまま保護して里親さんを探します(TNTA)。
この活動をしていると必ず「野良猫は野良猫のままが幸せなのではないか?」という議論が浮上します。
わたしもこの活動を始める前まで「野良猫が多い街はのどかでいいな~」などと呑気に思っていましたが、保護活動をする中で考え方は変わりました。
保護した猫たちはどの子も、心身ともにボロボロだったからです。
街で見かけるのどかそうな猫は、飼い猫だったり、餌やりさんがいる恵まれている猫です。
野良猫の多くは、ご飯や飲水にありつけることは難しく、猫同士の喧嘩や感染症、車の事故や自然災害や人間の虐待などによってボロボロで人目につかないようにひっそりと暮らし、人知れず亡くなっていきます。(野良猫の平均寿命は3才)
保護団体の役割
飼い主がいない猫を保護して里親探しを行う保護団体も、やはり猫の数に到底追いつかず、常に収容限界まで保護しています。
本来であれば、保護団体は殺処分されてしまう猫を保健所から引き出したり、最近問題になっている多頭飼育崩壊現場などから命の危険がある子をレスキューできると良いのですが、日々「野良猫を助けて欲しい」といった住民からの相談も舞い込み、殺処分間近の猫を引き出してあげる余裕がありません。
保護団体に丸投げするのではなく、 野良猫を助けてあげたい人が自力でレスキューしてあげられれば、保護団体は命に期限がある猫たちに注力できそうではありますが、保護団体もまた不妊手術をはじめとした医療費やシェルターの運営費など実費で賄っているため、出来ることに限界があるのです。
ここまで読んで皆さんはどう思われたでしょうか。
いろいろな意見があるかと思います。
わたしは、国の対応はその場しのぎでしかなく、根本的な対策になっていないと感じますし、動物の命を軽視し関心を持たない人や「うちの子さえ幸せなら良い」という人の多さにも憤りを覚えます。
国が何もしてくれないのなら、自分たちでできることをするしかありません。
個人で助けてあげられるプラットフォーム「AHAHA」
保健所の猫は誰にでも引き出せるわけではないですが、野良猫は保護団体を頼らなくても誰にでも助けてあげられます。
猫をお世話する場所があって、やり方さえ分かれば、誰にだって助けてあげられるのですが、そういった情報があまり無いのです・・・
そこで、2020年に立ち上げたWEBプラットフォーム「AHAHA」で、個人で猫を助けてあげたい人をサポートするようになりました。
ライトに関わりたい人をどうつなげるか
保護猫活動には、熱量と時間とお金が必要になります。
「猫を助けてあげたい!」という熱量が大きい人が時間や身銭を割いて保護活動にコミットしている訳ですが、もう少しライトに関わりたいという人も大勢います。
ライトに関わりたい人の寄付や支援が増えれば、保護活動家たちは熱量を保持したままサスティナブルにコミットし続けることができますし、そこに参入してくれる人も増え、猫はもっと助かります。
ライトに関わる方法はいろいろあっていいし、自分ができる範囲で、できれば楽しみながら参加できるといいですよね。
猫は存在がコンテンツ
保護した猫たちは、その存在そのものがスーパーコンテンツ!
「可愛くて癒やされるぅ~」レベルを超え、どこでどんな風に暮らしてきたのか、保護されてから家猫になるまでの変化など、保護猫には各々にストーリーやドラマが詰まっています。
見せ方次第で、保護猫の応援者を増やすことはできそうですが、保護活動者は寝る間も惜しんで猫と向き合っているため、時間はあまりかけられない・・・
わたしはYouTubeチャンネルも運営していますが、編集に時間を奪われ猫に向き合う時間が減っては元も子もないため、いかに時間を費やさずして猫の応援者を増やせるか・・というのは大きな課題でもあります。
どんな凶暴猫も生まれ変われる
SNSの普及により、個人での保護猫活動もしやすくなり、子猫専門のミルクボランティアや、捕獲現場を得意とする方など、得意分野を発揮しやすくなりました。
わたしは、保護団体運営時代から子猫よりも成猫、その中でも人に警戒しまくっている凶暴性の高い猫と、なぜが縁が深い(笑)
長いあいだ人を警戒して野良猫として暮らしてきた猫は、そのまま野良猫として寿命を全うした方が良い・・・という考え方もあるかと思いますが、超ウルトラスーパーメガ級に凶暴な猫が時間をかけて少しずつ人間を信用し、幸せな家猫となっていく様をたくさん見届けてきたので、「野良猫の暮らしの方が良い」とはぜんぜん思えなくて、縁があってわたしのところにきた猫は超ウルトラスーパーメガ級に幸せな家猫に変貌させ、せっせと譲渡しています。
「Ahaha Cats NFT」は、そんなわたしのところに縁あってやってきた凶暴猫たちがモデルになり、 「どんな威嚇猫も生まれ変われる!」そんなコンセプトで展開しています。
コレクションに登場する猫たちの日々の様子は、InstagramなどのSNSで見ることができ、この先家族を見つけて幸せを掴むまでを見届けることができます。


今後はこの活動に賛同してくださるイラストレーターさんたちとのコラボや、ジェネラティブやオークションなどにも挑戦できたら楽しそうです。
NFTはチャリティーと相性が良く、チャリティーオークションで寄付を集める事例が海外では増えていますが、日本ではNFT自体の利用者はまだまだ少ない・・・
クラウドファンディングが、スタートアップ案件から徐々にソーシャルビジネスや社会活動家のプロジェクトが増え、「気軽な支援」という文化がプラットフォームをとおして根づいてきたように、これからはNFTをとおして様々な社会問題に興味を持ち、新しい関わり方をする人が増える気がしています。
いま過酷な暮らしをしている猫たちに等しく、幸せな家猫になるチャンスが訪れますように・・・

猫歴25年、保護団体の運営を経て200頭弱の猫を譲渡。
飼い主がいない猫と一時預かりボランティアをつなぐプラットフォーム「AHAHA」を運営。
飼い主と猫がQOL高く暮らすためのアイデアや保護活動のこと、InstagramやYouTubedeで発信。
資格:キャットライフアドバイザー/愛玩動物飼養管理士